【報告】3/10 横浜市防災・減災推進研修<支援編>@港南区

港南区にある多棟型マンションでの支援編研修でマンションDIGを実施しました。

支援編とは
地震火災や風水害の備えなど、地域特性に応じた防災活動について、依頼先の自治会やマンションに直接訪問して支援する研修です。地域における被害想定や基本的な災害への備えに伴う自助・共助の取り組みの他、風水害への備え、地震火災への備え、マンション防災、災害時のケーススタディー・地域の危険性の把握等のグループワーク)の4つのテーマから必要なものを選んで学ぶことができます。

災害想像ゲーム「マンションDIG」とは
DIGとは災害想像ゲーム(Disaster Imagination Game)の頭文字で、マンションDIGは、マンションの敷地での災害を想像するワークです。大判のマンション平面図・立面図を広げて、自分の部屋や役員の部屋を確認します。電気室やエレベーター、階段などの設備を確認し、災害が発生したときにどこを本部にすればいいのか、停電対策で灯りが必要な場所はどこなのか、必要な機材は何なのか、それはどこで使用するのか、機材は充分用意されているのか・いないのか、機材の置き場所は適切なのか、などを考え、シールを貼りながら可視化していくワークです。ワークを通じて災害時を想像し、問題や課題を明確にし、対応を考え理解していただきます。

マンションプロフィール
築55年・5階建てが29棟・総戸数430戸のマンションです。ハザードアップでは真っ赤になるエリアが隣接しており、高台にあるため雪が降ると車が登って来れないという環境にあります。棟数が多いので全戸への防災活動は行き届かないだろうと、各戸での備蓄も含めて「在宅避難」を徹底してもらうように啓蒙活動に力を入れています。コミュニティ活動を通して住民同士のコミュニケーションは取れているものの、独居老人が多いため災害時にはかなりの住民が孤立するだろうと予想しています。そのため、どのような防災対策が必要か日々悩んでいるとのこと。

準備・対応したから安全・安心ではない
地震を前提にお話ししましたが、共有スペースとなる集会室内の本棚下の耐震ストッパーが正しく設置されておらず、「転倒防止効果を期待できない」とお伝えしました。また防災倉庫には様々な備品が保管されており、定期的に点検・トランシーバーの充電などをされているとのことでしたが、地震で棚上の物品が崩れるとトランシーバーをはじめ初動に必要な物品が埋もれる恐れがあるため、そのこともお伝えしました。

「耐震グッズを設置した、防災用品を準備した=安全、大丈夫」という思い込みからの安心感は、かえって大きな油断となり、何もしていない状態よりも危険です。防災ツールが正しく使われているか、備蓄品はすぐに取り出して使える状態になっているか、改めて見直してみてください。

机上のマンションDIGから「ゆる〜いお散歩訓練」に
参加者の会話から普段から地域のつながりがある様子、どの方も積極的に取り組んでおられる様子が伺えました。ただご高齢の参加者が多かったため、シールを探したり貼ったりといった細かい作業に加わりきれない方も見受けられました。それでも積極的に発言いただいたので安心しました。「難しいから」と放られてしまうより、出来ることを出来る範囲でやっていただくことが大事です。

DIGを通じて様々な気づきがあったと思いますが、地図上でゴミ置き場や情報掲示板の設置場所などを話し合った内容を踏まえて、みなさんで改めて地域内を歩いていただくとより様々なことが見えてくるでしょう。実際に歩いて見ればまた新たな気づきがあり、同時に「ゆる〜いお散歩訓練」も兼ねることができます。

いつでもお手伝いします
土地に愛着を持って長く暮らしている居住者が多いように感じましたが、今後ますますの高齢化・老朽化・世代交代などで地域の管理や防災がどのように変化するのかとても気になりました。「またよろしく」と言っていただけたので、経過観察も含めてご縁がつながってまたお会いできれば幸いです。

 

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