【報告】12/3 第6回東北未来カフェ福島県相馬市編

東北未来カフェ第6回福島県相馬市編は、相馬のおんちゃま、こと高橋永真さんをお招きしました。

当日は会場の定員一杯の30名ほどのお客様をお招きし、とても楽しい会になりました。

【イベント概要】
日時 : 2016年12月3日(土)17:30開場、18:00より講演会、19:00より懇親会
会場 : BUKATSUDO
横浜市西区みなとみらい2-2-1 ドックヤードガーデンB1F
ゲスト : 高橋永真氏(株式会社センシン食品代表)
主催 : 認定NPO法人かながわ311ネットワーク

会は、おんちゃまが大ヒラメをさばく姿を参加者みんなで見学するところから始まりました。

 HIRO・STUDIO all rights reserved.2012.

おんちゃまの包丁さばきを堪能した後は、会場を移して、まずは講演会です。

相馬の海は、暖流と寒流がぶつかり合う場所で、魚の種類が豊富なところです。原釜漁港は、年間水揚げ高/50~70億 、水揚げ数量/年・約1万トン、魚種/年・約150種(流通種/約120種)という豊かな漁港でした。
その豊かな海で生計を立てている漁師さんもが多いところで、おんちゃまの同級生も、中学を卒業するとすぐに漁師になって、船に乗る人が多く、高校進学者はクラスに、2、3人だったそうです。
いったん漁に出ると、2,3日は寝ずに働く過酷な職場だけれど、その分収入も多く、みなさん豊かな暮らしをしていらしたのだそうです。

おんちゃまは、視野をひろめたらいい、というご両親の意向で相馬高校に進学しました。卒業後、漁師も経験しましたが、その後、水産加工の会社に就職し、生計をたてていました。震災前には独立し、水産加工の会社を営んでいました。そこに起こった、東日本大震災と、福島第一原発の事故。
地震と津波で、自宅も職場も失った高橋さんは、震災後、避難所や仮設住宅に住む人々に魚を届ける活動から、福島復興イベントで、相馬の魚を紹介するような、復興支援の活動を行いながら、現在はまた水産加工の仕事を再開しています。

震災前は水産加工はあくまでビジネスで、歩留まりをよくする、あるいは保存性を高めるような添加物なども、それなりに使って商品を出荷していたそうです。

原発事故による放射能の影響による禁漁が長く続き、試験操業が開始され、放射能検査で基準以下の値を示しても、なかなか福島の魚は買ってもらえない中、おんちゃまは、相馬の海の美味しい魚を、そのおいしさを多くの人にわかって欲しい、美味しいものをまるごと届けたい、という思いが強くなってきたそうです。

おんちゃまの会社、センシン食品(株)では、セシウムチェッカーを導入して、出荷する商品を全て検査しています。震災後に、復興支援イベントで福島の物産販売をしていたとき、試食を勧めると、「毒を食わせるのか」と言われたこともあった、と語るおんちゃま。放射能汚染の問題から、健康に良くないのは放射能ばかりではない、食品添加物の問題についても考えるようになってきた、と語ります。

最近では塩にこだわり、藻塩を使った塩辛、などより美味しい、身体にいい商品を提供しています。冷凍手法にもこだわり、三陸の海で取れる物を中心に、美味しい食材を美味しい形で届けることをライフワークにしています。

食材はインターネット通販サイトから購入できます。⇒相馬のおんちゃま特設通販ページ

講演会の後はお待ちかねの、懇親会。おんちゃまがセレクトした食品を、復興キッチンでも協力いただいている山下大地シェフが調理して提供します。ボランティアの皆さんも助手として大活躍です。

当日のメニュー
お刺身 しめさば、ヒラメ、アイナメ
メヒカリの唐揚げ
カナガシラのフライ
塩鯖のチーズ乗せ焼き
アイナメのアクアパッツァ
アンコウのリゾット
サラダ
珍味 アンコウのとも和え いかの塩辛 etc

お酒
現在、おんちゃまの水産加工場がある宮城県名取市閖上(ゆりあげ)の佐々木酒造から
純米大吟醸 浪庵 で乾杯のあと、
特別純米酒 玲瓏
純米酒 閖(燗酒にてご提供)
浪の音 しぼりたて生原酒 に
特別にご手配いただいた、仕込み水を加えて頂きました。

美味しい魚と美味しいお酒、おんちゃまのユーモア溢れるお話であっという間の2時間半。

もう被災者とは言わないで、可哀相って言わないで欲しい、と語るおんちゃまに、震災を乗り越えて、前に進んでいく人の強さと素晴らしさを感じた一夜でした。

記 伊藤朋子

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