かながわ県民センターにて「Fukushimaをきいてみる」シリーズの2017年版の無料上映会を行いました。
「Fukushimaをきいてみる」とは?
福島の変化を、取材を積み重ねながら見守ってきたドキュメンタリー映画です。福島のその時々の「いま」を知りたいと思った同県出身の女優・佐藤みゆきさんが出会い、見て、触れて、知るさまざまな出来事が会話形式で綴られています。
2017年の福島で起きたこと
当時の福島では、東日本大震災・福島第一原発事故から6年が経過し、「復興」と「帰還」が大きなテーマになっていました。
浪江町、飯舘村、川俣町などで避難指示が解除され、多くの住民が帰還できるようになりました。しかし、生活基盤や仕事、医療・買い物環境の問題から、実際に戻る人は限られていました。
大熊町や双葉町など、多くの地域では依然として帰還困難区域が残り、立ち入りが厳しく制限されていました。家族を捜したくても自由に入れず、十分な捜索ができなかったという苦しみを抱える方もいました。
また、震災から時間が経つ中、被災者一人ひとりの体験や思いを記録するドキュメンタリー制作が盛んに行われていました。2017年に撮影された作品には、「復興の進み具合」だけではなく、「今も終わっていない喪失」や「家族を探し続ける思い」に焦点を当てたものも多くあります。
避難・帰還宣言した町・家族の捜索・ふるさと
2017年版のテーマは上記4つです。映画の中で、大熊町で家族の捜索を続けながらも、立ち入り制限によって捜索を中断し、避難せざるを得なかった男性のインタビューが紹介されました。十分に捜すことができなかった悔しさや苦しみを思うと、非常に胸の痛む内容でした。
しかし、「原発反対」と声高に訴えるのではなく、自らの暮らしやエネルギーの使い方を見直そうとする姿勢にも心を動かされました。また、取材者が聞きたいことを問い続けるのではなく、語り手が語りたいことを時間をかけて受け止めるという、このシリーズならではの制作姿勢を強く感じました。
上映後に古波津陽監督が紹介した、自然災害で命を落とさないための戒めとして伝えられてきたアイヌの言い伝えも印象に残りました。予測できる災害に対して、自分の命を守るために備え、行動することの大切さを改めて考える機会となりました。
台風のなかで実現した上映会
台風7号・8号の影響が心配され、開催そのものを検討する状況でしたが、共催した「よいしょ金太郎。」の希望もあり、予定どおり上映会を実施しました。当日は幸いにも雨脚がそれほど強くならず、大きな混乱もなく開催することができました。
天候の影響もあり参加者はやや少なめでしたが、来場された皆さんは、最後まで熱心に作品をご覧になっていました。厳しい天候のなかでも足を運び、映像に向き合ってくださったことが印象に残る上映会となりました。



