被災者とのコミュニケーション

①話を聴くときの注意点

災害にあった人々は、様々な不安や悲嘆を抱えていることを常に心に留めておきましょう。それをふまえた上で、その人の視点に立って暖かく向き合うことが重要です。

  • はじめに自己紹介。「~から来た○○です」まずは自分が何をしている者であるかを伝える。
     
  • 被災者である前に人間であり、支援側も支援者である前に人間である。相手が「被災者である」5という視点は、上から目線になりがちなため避けたほうがよい。
     
  • 寄り添うこと。相手の気持ちを理解しようと努力し、そばにいること。相手が何を必要としているかに意識を向け、行動することが大切である。
     
  • その人の生活環境が変化してもその人の歴史や文化は変わらない。これまでの仕事や趣味、大切にしてきたことなどを伺い、個人の歴史をふまえた上での関わりを大切にする。
     
  • 会話の中や、体の動き、表情の一つ一つの中から、今相手が何を必要としているかをしっかりとらえて対応していくこと。支援者側は聞き役に徹し、善悪の判断をしないようにする。
     
  • 人間らしい関わり方を相手の気持ちに反することは避ける。押し付けのケアはしないようにする。
     
  • プライバシーの守秘及び倫理をしっかり守るようにする。

②気をつけてほしいこと

  • 話を聞く時は、その人が何を望み、何を伝えたいのかに焦点をあて、今できることから考えていく。
     
  • 支援活動に参加した自分の思いを、現地のニーズに合わせて修正することが必要な場合もあります。 被災地では、自分の思ったような活動ができないことが多いのが現状です。
     
  • 被災者の多くは、心に踏み込まれることに抵抗があるということを知っておきましょう。その人が話をしたくない時は、そっと見守りましょう。
     
  • 中には感情を人に見せることを好まない人や、一人の時にしか泣けない人がいます。泣いていないからといって、その人が悲しんでいないということではないことを心にとめておいて下さい。
     
  • 「これからどんな風に生きていけば…」と言われることがあるかも。しかし、あなたにその答えを求めているわけではありません。ただそばにいて話を聞くことが、大きな助けになります。
     
  • 被災者のプライベートな話題を聴くこともあると思いますが、他の被災者や支援者と共有した方が良い情報と、プライバシーの保護をするべき情報を、きちんと分けて扱うように、十分な注意を払いましょう。信頼関係を築くことが支援の第一歩です。
     
  • 被災者の中には、怒りや不満の感情をまわりにぶつける人もいます。たとえ支援者に対しての言動であっても、支援者を責めているのではありません。悲しみや行き場のないつらさが、怒りとなって表れているのだと考えてください。これらの感情への対応は非常に難しいですが、できるだけ非難や否定をせずに感情を受けとめましょう。その後で、実際に困っていることを聴いて下さい。
     
  • ひとりきりになりやすい被災者の人(子ども)には、できるだけ声をかけてあげましょう。子どもは元気そうにしていても、自分の気持ちを、親や周囲の人に話せずにいる場合があります。できるだけ日常生活に近い安全な状態になるように配慮しながら、注意深く見守りましょう。
     
  • 子どもには、わかりやすい言葉で話して下さい。また、大人ばかりが話さず、子どもが話せるように待って下さい。多く話す必要はありませんが、子どもたちのニーズを探ることも重要です。
     
  • まずは自分の心身の安全を確保できる事が、支援者として最も重要なことです。そして、支援者自身の過労や燃え尽きに十分に注意して下さい。被災地での活動は、支援したいという気持ちや精神的緊張から、過剰に活動してしまいやすい環境にあります。また、心に傷をもつ人たちのサポートは、強い疲労感や無力感を引き起こすことを覚えておき、自分で休息をとるように配慮して下さい。


  • 参考(一部引用・転載)
    • 『まあるい地球のボランティア・キーワード145』(日本ボランティア社会研究所)
    • Japan Tsunami Grief Support Project(JTGSプロジェクト)「被災地の外部から被災者を支援する皆様へ」(2011年)