栄区の福祉避難所連絡会にて、講演と簡単なワークを実施しました。
福祉避難所とは
大規模災害が発生した時に、一般の避難所や自宅での避難生活が困難な方のための避難所です。高齢者、障がいのある人、乳幼児、妊産婦、傷病者、内部障がいのある人、難病患者などが要配慮者が対象です。区役所と協定を締結した高齢者施設、障害者施設、地域ケアプラザなどが福祉避難所となります。当団体では、福祉避難所として区役所と協定を締結している施設にて、福祉避難所の開設、避難所運営マニュアル作成、避難訓練の評価やアドバイスを行っています。
福祉避難所の役割を知り、現場の課題を共有する
福祉避難所の開設・運営をテーマに、福祉施設の職員を対象とした研修会を実施しました。前半の講義では、過去の災害における事例を紹介しながら、福祉避難所の役割や開設までの流れを確認しました。
福祉避難所は、災害時に特別な配慮が必要な方を受け入れる重要な施設ですが、開設する側にも多くの課題があります。特に、施設自体が被災する可能性や、職員が十分に参集できない状況では、通常のサービスを継続しながら避難者を受け入れることの難しさが考えられます。入所施設や地域ケアプラザ、地域活動ホームなど、事業内容や運営形態の異なる施設が参加したことで、それぞれの状況や課題を知る機会となりました。福祉避難所の機能を維持するためには、各施設の実情を踏まえた備えが必要であることを共有しました。
発災後30分、90分。初動対応を具体的に考える
後半の個人ワークでは、平日夜間に災害が発生し、参集できる職員が通常の3割という想定のもと、各施設の初動対応を考えました。発災から30分後、90分後に何を行うのかを時系列で整理し、限られた人員で対応するために必要な行動を確認しました。
さらに、災害時に自分の判断で実施できる業務や、責任者の承認が必要な事項を整理する「権限の棚卸し」に取り組み、責任者が参集できない場合の対応も検討しました。参加者からは、職員の安否確認や本部への連絡、地域との連携、災害時給水所への対応など、施設ごとの具体的な項目が挙げられました。
日頃の業務を災害時の状況に置き換え、誰が何を判断し、どのように行動するのかを明確にする機会となりました。
施設ごとの違いを知り、実情に合った備えを進める
グループワークでは、各施設で考えた初動対応を持ち寄り、事業内容や運営形態による違いを共有しました。入所施設では夜間も利用者がいる一方、日中の利用が中心となる施設では、夜間の職員配置や利用者への対応が異なります。こうした違いから、同じ福祉避難所であっても、災害時に優先すべき行動や必要な体制は一様ではないことが確認できました。
また、職員の安否確認については、すでに情報共有の仕組みを整えている施設もあり、それぞれの取り組みを知る機会となりました。
今回の研修では、それぞれの施設の対応を具体的に書き出し、他施設と比較することで、日頃の備えを振り返ることができました。今後は、研修で整理した内容を施設内でも共有し、より多くの職員が初動対応を考える機会につなげていくことが期待されます。


