【報告】2/15 地域防災拠点HUG訓練@港南区

港南区にある地域防災拠点にて、避難所運営ゲーム「HUG」を実施しました。

地域防災拠点とは

横浜市では、指定避難所のことを地域防災拠点と呼んでいます。災害時に小中学校単位で設置されることが多く、
・家屋の倒壊などで自宅で生活できない方が一定期間避難生活を送る避難所
・在宅被災生活者向けの物資・情報供給
・家族や知人の安否確認など情報受伝達の拠点
といった指定避難所を含めた役割があり、
・防災備蓄庫の設置、防災資機材・食料等の備蓄
・被害情報等の情報受伝達手段として、各拠点にデジタル移動無線を配備
といった設備を整えています。普段は防災研修・訓練を行ったり住民の地域活動の場として使用されることが多いです。

避難所運営ゲーム「HUG」とは

避難者の情報(年齢・性別・家族構成・持病など)が書かれたカードを、避難所となる体育館や教室に見立てた紙の上に適切に配置していきます。トイレや炊き出しの場所、取材の対応など避難所で起こる様々な出来事にも対応します。HUGは、Hinanzyo(避難所)、Unei(運営)、Game(ゲーム)の頭文字を取ったもので、英語で「抱きしめる」という意味も含んでおり、避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けられました。

判断の難しさを体で感じる訓練

今回は未経験者を中心に複数の班に分かれ、受付、避難スペース、通路、本部、掲示板、物資、トイレ、ペット、要配慮者対応などについて検討していただきました。

机上での架空の訓練ではありますが、学校敷地や教室図を使いながら進めるため、参加者は実際の避難所運営に近い状況を体験することになります。各班では、子どものいる家族、子どもだけの避難者、服薬が必要な方、外国人、旅行者、ペット同行者など、さまざまな避難者への対応を考えながら、限られた時間の中で判断を重ねていました。

HUGは、正解を学ぶための研修ではなく、混乱した状況の中で判断する難しさを体感する訓練です。今回も、参加者が悩みながら話し合い、状況に応じて判断していく姿が印象的でした。

話し合いから生まれる運営の工夫

各班とも参加者同士が積極的に意見を出し合い、協力的な雰囲気の中で訓練が進められました。

受付や動線を早い段階で決める班、通路を確保してから避難者配置を考える班、掲示板を使って必要な人材や物資の情報を共有する班など、それぞれに工夫が見られました。掲示物の重要事項に線を引いて見やすくするなど、情報を伝えるための配慮も確認できました。

また、どんどんやってくる避難者をどこに配置するか悩んでいましたが、寒い屋外で長く待たせるよりも、通路も含めて屋内に入れることを検討するなど、避難者の負担を想像しながら判断しようとする姿勢も見られました。

未経験者が多い中でも、互いの意見を尊重しながら話し合いが進められ、地域としての対話力と、前向きに取り組む姿勢を感じる訓練でした。

平時の整理が災害時の力になる

今回の訓練を通して、実際の地域防災拠点運営を考えるうえで、平時から整理しておくべき点も見えてきました。

多くの班が悩んでいたのは、トイレの配置や運用、ペットの受け入れ場所、掲示板による情報共有、要配慮者への対応、外国人や旅行者への対応、地域住民が集団生活に適応するための工夫などです。

また、備蓄物資一覧の活用、トイレ設備の種類の理解、掲示板に日付や場所を明記すること、自治会と拠点運営の役割分担など、平時に確認しておくことで災害時の混乱を減らせる事柄も確認されました。

今回の訓練を単発で終わらせるのではなく、繰り返し実施することで、地域としての判断力や連携力を高めていくことが期待されます。参加者が今回得た気づきを、今後の避難所運営計画や地域防災活動につなげていくことが重要です。