横浜市からの依頼で当団体が制作した外国人向け防災リーフレット「横浜市で災害が起きたらあなたはどうしますか?」の作成過程で、南区内の日本語教室にて計2回の防災授業を実施しました。
日本語教室で防災を学ぶという挑戦
外国人向け防災テキストのパイロット授業として、都筑区に続いて南区で全2回の研修を実施しました。
今回の研修では、防災を一方的に伝えるのではなく、「日本語教室の授業」としてどのように扱うかを意識しながら進行しました。防災そのものへの関心が高い学習者もいれば、防災というよりも日本語の授業の一環として参加している様子の方もおり、学習者の受け止め方には幅がありました。
そのため、単に知識を伝えるのではなく、言葉を確認しながら、問いかけ、書き込み、発音、対話を通じて進めることの大切さを実感しました。防災の内容を学ぶことと、日本語を使って考えることを両立させる点に、このテキストの大きな意味があると感じました。。
地図と実物が理解をひらく
全2回を通じて、特に反応が大きかったのは、防災マップやハザードマップを使ったワークでした。
自分の住んでいる地域の地域防災拠点を探したり、ハザードマップを確認したりする作業では、学習者同士やボランティアとの会話も生まれ、教室全体が活気づきました。話を聞くだけではなく、実際の資料を見ながら確認することで、理解が深まりやすくなることがわかりました。
また、非常持ち出し品を考えるワークでは、食べ物や水だけでなく、本などの娯楽を挙げる学習者もいました。「避難生活では退屈しそうだから」という理由から出た意見で、災害時の生活を自分ごととして想像してくれたことが印象的でした。
防災を身近に感じてもらうためには、説明だけでなく、地図や実物、書き込み作業などを組み合わせることが効果的だと感じました。
多様な学習者に届く授業へ
参加者の国籍や日本語レベルは非常に幅広く、比較的日本語力の高い学習者が多い回もあれば、来日して間もなく、日本語がほとんどわからない学習者が参加する回もありました。
その中で、日本語レベルの差にどこまで対応できるかは、今回のパイロット授業を通じて見えた大きな課題です。同じテキストを使っていても、理解のスピードや発言のしやすさ、書き込みの内容には大きな違いがありました。
一方で、問いかけに対して積極的に発言したり、日本語の言葉を声に出して練習したりする様子も多く見られました。学習者一人ひとりに声をかけることで反応が引き出され、対話を中心に進めることの効果も感じられました。
パイロットから実践へつなげる
今回のパイロット授業後には、参加した関係者から「授業で使いたい」「テキストを送ってほしい」という声もあり、実際の現場で活用したいという前向きな反応が得られました。これは、このテキストが単なる配布資料ではなく、授業の題材として使える可能性を持っていることを示していると思いました。
テキストや解説書が公開されて終わりになるのではなく、日本語教室や地域の防災活動の中で、どのように使われ、展開されていくかを見守っていきたいと思います。
外国人居住者のみなさんが地域の防災に関わるきっかけとして、このテキストが活用されていくことを期待しています。
ご協力いただきました各日本語教室のスタッフのみなさん、日本語ボランティアのみなさん、日本語学習者のみなさんに心から感謝しております。



