鶴見区役所にて職員の方を対象に防災研修を行いました。毎年研修テーマを変えており、今年度は災害対応のジレンマを体験する「クロスロード」を実施し、8回にわたって全職員が受講しました。
クロスロードとは
阪神・淡路大震災で神戸市の職員が実際に直面した「災害対応のジレンマ」をゲーム化した災害対応カードゲーム。クロスロードは「岐路」「分かれ道」のことで、そこから転じて、重要な決断・判断のしどころを意味しています。
やり方は設問に対しYesかNoか決めるだけ。シンプルなルールながらも、災害対応時のジレンマや様々な視点・多種多様な意見に触れることができます。実際に起きた二者択一の問題について考えるため、災害時における難しい意思決定状況を体験しながら、防災の心を育むことができます。「神戸編・一般編」、「市民編」、「災害. ボランティア編」の三種類があります。
進行の工夫で、よりスムーズな場づくりに
最初に自己紹介を兼ねて、カードの読み手決めを行ったことで、全体の流れがぐっとスムーズになりました。ちょっとした工夫ですが、場の空気がほぐれ、その後の進行にもよい影響があったように感じました。
同じ区役所でも、所属が違うとなかなか知り合う機会もありません。研修を通じて、お互いを知ることで風通しの良いコミュニケーションづくりにもつながっていくと思いました。
現場に根ざした問題づくりの広がり
クロスロードでは、それぞれの担当業務や経験に基づいた問題が多く出され、内容の深まりを感じました。行政職員ならではの視点や、土木分野など専門性の高い設問もあり、実際の現場で活用できる可能性を感じました。自ら手を挙げる方は多くありませんが、お声がけすると的確で興味深い意見が出てくる点も印象的でした。
多様な参加と気づきのある対話
聴覚障害のある方が手話通訳付きで参加されました。毎年のことではありますが、ご本人も周囲の方も積極的にコミュニケーションを取られており、その姿から多くの学びをいただきました。また、「全員が同じ答えだった場合でも、別の選択をしたらどんな理由になるか」を問いかける工夫により、対話がより深まる場面もありました。
さらに、当団体でインターン研修中だった学生さんが急遽プレイヤーとして参加しました。初めてのクロスロードにも関わらず、丁寧で率直な意見を述べられており、職員の皆さんにとっても新鮮な視点となったように感じました。若い世代の考えに触れる機会としても、よい相互作用が生まれていました。
対話の深まりと今後への工夫
個人情報やプライバシーに関するテーマで意見が一致する場面もあり、情報管理への意識の高さがうかがえました。一方で、意見交換のあとにさらに深掘りしていくことで、より学びが広がる可能性も感じました。実際に、理由を共有したあとに自然と議論が深まるグループもあり、和やかな雰囲気の中で活発な対話が行われていました。
また、途中でグループ単位で休憩を取るなど、運営面でも柔軟な動きが見られました。ゲームの流れを止めずに進める工夫として、今後の参考になりました。
まとめ
クロスロードは、被災した行政職員が作ったものということもあり、区役所職員として、より身近に感じられたり、共感できる問題もたくさんあったと思います。
今後も、専門職の方々が作成した問題を積極的に共有いただきながら、より実践的な研修へとつなげていきたいと考えています。


