「わたしたちの取り組む防災教育の過去・現在・未来」
2016年度から始めた「防災教育フォーラム」も9回目、コロナ以降オンライン開催を続けてきましたが、6年ぶりに対面での開催となりました。まずは石田理事から防災教育フォーラムについてご紹介です。
■石田理事から、防災教育事業について

2024年度は初めてクラウドファンディングに挑戦しました。たくさんの方からご支援をいただき感謝申し上げます。フォーラムは今までコロナの影響でオンライン開催せざるを得なかったのですが、今回は、参加型のフォーラムを開催することができました。2015年から始まっている本事業は「かながわ版防災教育プログラム」を軸に着実に広がっています。また、防災教育ファシリテーター育成事業でも豊富な人材が育っています。
■講演
1 横浜市立南中学校
「防災教育に地域や生徒を巻き込むには?〜4年かけて構築した年間サイクルの仕組み〜」南中学校 藤宮学校長
生徒の発想でいいよ、とにかくやってみよう、というチャレンジ!生徒を信じたら、地域とのつながりが広がった。まさに「つなぐ、学ぶ、挑む」学校教育目標そのままにというお話しをいただきました。
2024年10月の沖縄県国頭郡東村が豪雨災害で被災した時、平和学習で交流のあった東村立東中学校のことを思い、生徒がやりましょうと声を上げて、募金活動をしました。東村役場村長から、支え合いの気持ちが嬉しいと言われましたという心温まるエピソードも披露されました。

南中学校生徒会=生徒が主体の防災訓練について
夏休みの「防災学び塾」に生徒会が参加したことをきっかけに、生徒会が主体の避難訓練に取り組むようになりました。当時、文部科学省安全教育調査官だった森本先生にいただいたアドバイスを元に、土砂災害の危険が多い地域なので、土砂災害を想定した訓練訓練を企画しました。予告なし、それも、昼休みに抜き打ちで訓練の放送を流しました。しかし、放送が聞こえなかったという機材トラブルがあり、調べてみると緊急放送の機器が故障していたことが分かりました。東日本大震災の時には地震発生後に停電し、放送が使えなかったと聞きました。そういうことも想定した訓練も必要だと気づきました。これからは、全校生徒の意識を上げるために後輩にバトンタッチしたいと、新生徒会役員へ高い目標がバトンとして受け渡されました。

南中学校地域防災拠点運営委員会事務局長 漆崎昇氏
町内会では「命のタオル」という安否確認訓練をしています。拠点訓練には生徒さんに2023年から参加していただいています。生徒さんには、テント設営準備、受付準備、はまっこトイレの設置などをやってもらっています。拠点訓練の他にも実行委員会を立ち上げて防災キャンプも2年連続で実施しました。と学校との連携や地域での防災活動についてお話しをいただきました。防災活動はとても地味で続けていくのは大変だけど、誰かがやらなきゃいけないし、普段やっていることが災害時に生かされるはずと信じている、との言葉が印象的でした。

■事例発表
2 横浜市立中川中学校「新たな防災教育の取組について」 近藤教諭
新たな防災教育の取り組みとして、今年は、避難訓練は初めて告知しない訓練を行いました。グランド、教室などいろいろなところにいる生徒たちが自分で判断して行動しました。そして、現1年生は修学旅行の行き先を東北地方に変更し、今年から取り組みを始めています。その一環として、1〜2年生合同で実施したクロスロードの体験についてお話をいただきました。
今の中学生は震災後に生まれた世代、被災地の復興の年数がそのまま生徒の年齢になる。被災地の復興を学びながら、地域の防災リーダーとなる中学生を育てていきたいということです。先生の目は未来に向かっていました。生徒さんたちのこれからが楽しみです。

3 「防災と私」 横浜市内小学校5年生 防災教育ファシリテーター 海老原さん
昨年(4年生の時)、学校の社会科の授業で防災に興味を持ったという海老原さん。総合的な学習の時間で発表したことがきっかけで、もっと知りたいと思い、防災士の勉強を始め資格を取りました。その後に災害時要支援者のことについて勉強が必要だと思い、防災介助士の資格の勉強をして、今年、防災教育ファシリテーターにもなりましたとお話しがありました。自分の興味関心の先に学びの糸口を見つけて、防災についてどんどん深めていく姿勢がとても素晴らしいです。今後やりたいこととして、友だちに防災の大切さをもっと知らせたい!オシャレな防災グッズをプロデュースしたい!など可愛らしい一面も見えました。今後に期待しています。

4 損保ジャパン「安心安全の取り組み」紹介
会場を提供していただいた、損害保険ジャパン株式会社から「安心安全の取り組み」の紹介をしていただきました。平時の取り組みとしては、防災ジャパンダプロジェクトをしています。自治体の防災訓練やイベントに出展したり、神奈川県とのコラボをして「台風への備え」や避難についてのチラシを作成したり、また、ドローンを活用した災害における訓練も行なっています。そ横浜市とのコラボで、防災戸ステッカー普及活動や、すまいのハザードマップ活動、情報提供については、SORAレジリエンスのサイト運営をしています。
■防災教育ファシリテーター紹介
今年度上級編を終了した14名のうち、本日スタッフとして参加している8名の紹介が行われました。


発表はどれもすばらしいものでした。来場者の方も、行政、学校、地域と大変幅広かったことが特にうれしかったです。今回は特に、防災教育を受けた子どもたちが様々なコミュニケーションを経て、まわりを巻き込み広がっていく現状を目の当たりにすることができたのはとても貴重で、このフォーラム以外ではなかなか体験できなかったと思います。子どもたちが自発的に防災教育を作っていけるという実績を知ってもらうことができた、素晴らしいフォーラムになりました。
(報告記事:岸伸枝)
■講座概要■
講座名:防災教育フォーラム2025
日 時:2025年3月8日(土)13:30~16:30
会 場:損保ジャパン横浜馬車道ビル4階会議室
参加者:65名、スタッフ19名
主 催:認定NPO法人かながわ311ネットワーク
協 力:損保ジャパン株式会社
発表者:横浜市立南中学校(藤宮学校長、生徒会)、南中学校地域防災拠点運営委員会(漆崎昇事務局長)、横浜市立中川中学校(近藤教諭)、防災教育ファシリテーター(海老原さん)


