今回は児童生徒を対象にしたHUG(避難所運営ゲーム)指導法を学んでもらいました。その後、上級編修了ということで修了式を行いました。
【1】講師模範授業
まず始めに、講師の「模範授業」を見てもらいました。授業を受ける対象は小中学生、場所は教室を想定して行うので、もちろん言葉選びや口調も子ども向けになります。受講者もメモを取りながら熱心に聴いています。
ファシリテーターとしてまず必要なことは、聴き手の子どもたちにしっかり理解してもらえる話し方ができることなので、そのお手本を見てもらいました。HUGは想像力のゲームなので、その中での設定をていねいに説明します。災害の状況や避難者の様子などで大事なところは繰り返し、大人に話すのとは違ったスピード、間の取り方、声の大きさなどを工夫していきます。説明の合間にメモを取るよう促したりもします。時には笑いを取るなどリラックスできる雰囲気作りも考えます。



用意した物の確認も行います。特にHUGカードの扱いはていねいにする必要があります。カードは避難者であり、大切な情報だからです。そして、いざゲームに入ったら時間の区切りをテキパキと行い、最後は子どもたちの考えや意見をまとめ、そのチームで決めたことが「正解」としてよいこと、ただし少数の意見が潰されてしまわないよう気をつけたかを押さえます。さらにその上で、講師側の伝えたいメッセージをしっかり伝える、と進んだところで模範授業が終了しました。ここからは受講者がファシリテーターとして、授業の実習をしていきます。

【2】受講者 授業実習
次に受講者ひとり一人、グループごとに練習をしました。ひとり30分で2~3名なのでまずその順番決めから。どうしても最初の人は緊張しますよね。でも、完璧にできなくてもまずは見たままやってみよう、と真似してみることで十分です。といっても目の前の相手は「子ども」ではなく「大人」で、それに子ども相手の話し方で説明していくのは、なかなかやりにくいことです。最初はパソコンの画面を追うだけで精一杯です。早い人は15分で前半の説明を終わり、ゲーム開始に入っていました。

次の2番、3番目の人はもっとやりやすそうでした。身振り手振りを加え、口調や話すスピードも工夫が見られるなど、ゆとりも出てきました。特に普段から子ども達を相手にしている人は、慣れているようで声も大きく笑顔でリラックスして進めていました。

HUGの大変さは、説明が多く長いため、子どもたちが理解できなかったり飽きてしまったりする恐れがあることです。でも震災などの災害を経験したことのない彼らに、いかにそれを想定させ、自分事として考えられるかをしっかり落とし込まないと、HUGの目的が薄らいでしまいます。
今回はカードも物品もない中、大人相手の実習なので、実際とはだいぶ違ってやりにくかったと思います。しかし、話し手の熱心さや気持ちが伝われば聴き手もそれに応えようとするものだ、ということを実感しました。

中でも小学生の受講者さん。大人に混じって澄んだ声で一生懸命説明している姿が清々しくそして頼もしかったです。防災教育が大人から子どもではなく、子ども自ら仲間に伝えていける、そんな新しい道筋が開かれたような気がしました。

【3】上級編 修了式
計4回の講習が無事終了し、14名の受講者全員に修了証が手渡されました。夏期の初級編から始まって、ここまでの計8回の受講、お疲れ様でした。ぜひ実践を積んで、次世代に防災・減災を正しく伝えるファシリテーターとなり、仲間と活動する楽しさを体験していただきたいです。
(報告記事:近藤悦子)
■講座概要■
講座名:防災教育ファシリテーター養成講座<上級編9期>
日時 :2024年12月7日(土)09:30-12:30
会場 :かながわ県民センター11階 講義室
参加者:14人
講師 :石田真実
サポート:防災教育ファシリテーター 鵜野朋子 近藤悦子 水野由紀子
統括 :石田真実


