緑区にある市営住宅での「みんなの地図(集合住宅の防災)研修」の報告です。
「みんなの地図研修」とは
当団体が行っている集合住宅を対象にした防災研修で、震災被害を軽減するためにマンション住⺠が個⼈で準備することや知っておきたいことを、集合住宅単位で学ぶことができます。①地域の被害想定、②被災するとどんな被害があるのか、③個⼈としてどんな事前準備が必要か、④集合住宅単位で必要な協⼒、の4つを軸とした研修内容となっています。
マンションプロフィール
総戸数86戸の7階建ての築52年の市営住宅です。高齢化する居住者と自治会の関わり方を模索しつつ、住民一人一人の防災意識を高めたいと今回のご依頼につながりました。
災害想像ゲーム「マンションDIG」を通じて
DIGとは災害想像ゲーム(Disaster Imagination Game)の頭文字で、マンションDIGは、マンションの敷地での災害を想像するワークです。大判のマンション平面図・立面図を広げて、自分の部屋や役員の部屋を確認します。電気室やエレベーター、階段などの設備を確認し、災害が発生したときにどこを本部にすればいいのか、停電対策で灯りが必要な場所はどこなのか、必要な機材は何なのか、それはどこで使用するのか、機材は充分用意されているのか・いないのか、機材の置き場所は適切なのか、などを考え、シールを貼りながら可視化していくワークです。ワークを通じて災害時を想像し、対応を理解していただきました。ちょうど屋外で行われた消防署による訓練後の開催だっため、「これから防災対策をしっかりやっていきたい」という意気込みが感じられました。
まずは意識を形にして、そしてその先へ
住民同士のコミュニティはすでに形成されていますが、地域防災拠点や周辺の自治会との交流が無いことが分かったため、区役所につなぎを頼むようご案内しました。マンション内では加入率の高い自治会組織を活かして、この高まった防災意識の波に乗って、初動の体制、安否確認ルール、備蓄など一つ一つを形になるように取り組んでいただきたいです。市営バス営業所が併設されている市営住宅の一つなので、これをきっかけに、今後は地の利を生かした地域連携につながっていくといいですね。他の市営住宅や交通局、管理会社ともつながって、防災への取り組みが進むことを期待します。