【報告】7/21横浜市立南中学校「防災学び塾in南中」

防災学び塾では、3年前から生徒と地域の方、PTA役員、教員が一緒に防災について1年かけて学ぶ機会を設けています。

今日は「『そのとき学校は何ができるのか』~地域と中学生が共に考える避難所運営~」をテーマに、「もし災害が起きて自分の学校が避難所になったら」という設定で、地域一体となったワークショップを午前中3時間かけて開催しました。

教室3クラス、それぞれ部活ごとにまとめた4グループに大人が入り、前半は「避難所運営ゲーム(HUG)」、後半は「ケース会議」とかなり濃い内容でした。

■前半:ワークショップ「HUG」
次々と問題を抱えた避難者が来校し、即座に判断することは大人でも本当に何が正しいのか悩む中、
「病気よくわかんない~!そうだ!困った人専用の受付をもう1つ作ろう!」
「ペットみんな飼いすぎ~‼雨降ってて外じゃかわいそうだから、ふれあいルームに入れようよ!」
「ボランティア来た~‼専用駐車場つくっていっぱい受け入れよう!」
子どもならではの優しさ目線で次々解決していく様子は本当頼もしい!グループに混じった大人も優しく見守っている様子が窺えました。
(美術部グループの整然と並べられたカード配列は美しく、芸術点が高くびっくりしました!)

■後半:ワークショップ「ケース会議」
グループごとに問題相談案件が違い、その課題を解決するために、「問題になる課題」「課題をどんな対応で解決するのか」「解決するための連携先」をみんなで話しあう。
「病気で普通のご飯食べられないってことは…病院に行く!」
「いや、保健室でしょ!」
「看護師探したほうがよくない?」
「病院にタクシーで行けば?」
「薬はどこで売ってる?」
普段の生活とは異なる想定外の問題に、ごちゃごちゃっと意見交換しながらも、どうやったら助けられるのかを一生懸命考えていました。

■釜石市 いのちをつなぐ未来館 川崎杏樹氏講話
オンラインで各教室と釜石市現地とをZoomでつなぎ、3.11当時中学生だった川崎杏樹氏との直接トークを行いました。
当時部活中だった話から始まり、実際の避難所暮らしの様子、中学生がどんなことを避難所でやっていたか等々…。
わいわいしていた空気が一変、みんな真剣に聞き入っていました。

備える大切さ、中学生だからできたこと、中学生が進んで避難所運営に参加したことで雰囲気も明るくなったこと等、実体験に基づくお話に加えて、「気持ちが明るくなると命も助かる」心に響くことばもお聞きできました。

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生徒からの質問にも一つ一つ丁寧に答えてくださいました。
「南中の周辺で災害が起こって逃げるとしたら、どこの避難所に行けばいい?」
→まず災害の特徴を知る。みんなが住んでいる地域や地形を知っておくことが大事。

「体育館で生活していて大変だったことは?」
→いろんな人がいたこと。区切りがなくて、臭いとか夜のいびきとかそういうこともストレスになる。部屋の振り分けなんか知っておくと色々選択できる。

 

本日の内容は生徒からの希望とのことで、去年からの一年間で子どもたちの防災意識が格段に高まっていると感じ、継続することの大切さを改めて実感すると共に、子どもたちの「どうにかしたい」という優しさと強さに感動しました!

(記事担当:宅間恵美)


■講座概要■
講座名:2023年防災学び塾in南中「そのとき学校は何ができるのか」~地域と中学生が共に考える避難所運営~

日時 :2023年7月21日(金) 9:00~12:00
会場 :横浜市立南中学校
参加者:約75人
講師 :谷本恵子、野村陽子、前田牧絵
サポート:防災教育ファシリテーター 鵜野朋子、宅間恵美、山田美貴
統括 :石田真実