【報告】令和2年7月豪雨災害 長崎県大村市での対応について

今回の一連の梅雨前線による豪雨の影響で、全国各地で甚大な被害が発生しています。
犠牲となられた方々にお悔み申し上げるとともに、被害にあわれたすべての皆様に心よりお見舞い申し上げます。

コロナ禍の状況で災害支援活動も、注意を払いながら行う必要があります。
当団体では全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)策定のガイドラインに則り、
『支援は、被災した地域内での対応を中心に考え、原則として外部からの人的支援は遠隔での対応が主体となる』を基本に活動を行うことを確認しています。

現在長崎県在住で、被害のあった大村市近くに住んでいるスタッフと連絡を取り、自宅は無事との確認をしました。

<7月8日 12時現在 県発表資料より>
○床上浸水
・大村市杭出津町1箇所※大上戸川(6戸)
・大村市富の原 1箇所
・大村市諏訪町 1箇所※藤の川(3戸)
・大村市久原2丁目1箇所※針尾川(11戸)
○床下浸水
・大村市今富町 2箇所
・大村市諏訪町1箇所※藤の川(42戸)
・大村市久原2丁目1箇所※針尾川(1戸)
○床下浸水
・大村市今富町 2箇所
・大村市諏訪町1箇所※藤の川(42戸)
・大村市久原2丁目1箇所※針尾川(1戸)

<7/13 18時現在 県発表資料より>
〇床上浸水
・20棟
〇床下浸水
・158棟

以下、被災地への配慮、また自身の身の安全を第一とした現地レポートです。

市内を流れる川の氾濫発生等の情報があり、長崎県内で被害の大きかった大村市に向かいました。
*大村市では7/6(月)1時間に110ミリという大雨が観測されました。

【7月9日】
(1)情報収集
大村市内北部(皆同町(かいどうまち)、今富町周辺)の現地情報収集を安全に配慮しながら実施。

市内を流れる郡川(こおりがわ)と佐奈川内川(さながわちがわ)との合流部が氾濫により護岸が決壊。
周辺田んぼへの土砂の流入や、ビニールハウスなどの倒壊や土砂流入、大事に生育してきた作物への影響(流出など)を確認。
同川の上流部も数か所決壊し、田んぼへの土砂流入があり農業被害が多い状況で、中長期的な支援の必要性も考えられる状況。

●住民の様子
今富町では被災した農家やその関係者で、ハウス内に流入した土砂の撤去や用排水路にたまった流木・ごみの撤去など(この後も雨の予報が出ていたので)急ピッチで行われていた。
(果樹農家 60代 男性)
いまは、明日からの雨にそなえて排水路にたまった土砂やゴミを取ってます。こんな風に家族や親戚に手伝ってもらってやってます。
早くしないともっとひどい状態になるからねぇ。
みんな家なんか後回しで畑を何とかしないといけないってやっている。
今必要な支援は、行政の支援かな。例えばこんな田んぼとかに入ったコンクリブロックなんか重機使わないと駄目でしょう。ボランティアには無理だと思う。
今は行政が必要じゃないかなと思う。


皆同町(かいどうまち)周辺(市ハザードマップより抜粋)
床上浸水家屋も数十件あったと見られる。浸水あったであろう箇所を点と点で結ぶと範囲が広くなるため、浸水家屋の件数は増える可能性あり。

●住民の様子
道路などには土砂は見られないものの、住民の方々で自宅が浸水し使用できなくなった家財道具などの災害廃棄物が出されていたり、周辺の清掃などが行われていた。

【7月11日】
当該スタッフが熊本地震の支援時に知り合った長崎県社協のかたが大村市社協に応援に入られており、ボランティアセンターの運営支援を要請された

コロナウイルス拡大防止の観点から市内在住者を限定として開設。
大村市災害ボランティアセンターFacebookページ

住民へは防災無線やポスティングなどで広報し、昨日(10日)までに9件のニーズが上がっている。
市社協としても初めて災害ボランティアセンターを開設し、県下でも近隣社協等の応援を入れながらの規模で開設するのは初めてとのこと。
被災状況から今後ボランティアニーズは増加すると思われる。

センタースタッフの配置状況やボランティア活動現場からの問い合わせへのアドバイスを実施。
その後、ニーズ調査箇所(萱瀬(かやぜ)地区)の確認を実施。

●住民の様子
崖崩れが数か所発生しており、生活道路が所々で寸断され迂回しなければならない状態が見られた。被害状況は局所的だが市街地部と違い、家の裏山が崩壊するなど山間部特有の被害も見られた。
(70代 女性)
あの日は雨はひどかったばい。昔もそうだけど山からの鉄砲水がたまにある。うちは大丈夫だったけど下のうちが家の下が浸かったって聞いた。

ボランティアセンター活動終了報告後、センター運営に関するアドバイスを長崎県社協のかたと一緒にスタッフに向けて行った。

【ボランティアセンター実績】
ボランティア受付数:33名 ニーズ件数:15件(新規6件) 活動件数:5件(2件完了)

【7月12日】
本日も、大村市災害ボランティアセンター運営サポートを長崎県社協のかたと一緒に実施。
ボランティア送り出し時に熱中症予防のため、暑さ指数や警戒レベルのアナウンス、作業に応じた(特に床板はがし時等の)注意点を震つなドライブ内の資料を用いながらレクチャー。
ボランティア参加者に対して、よりわかりやすいアナウンスが行えるようなアドバイスを、センターの朝の流れを確認しながら適宜行った。

市街地でも浸水被害があるとみられたので、水中ポンプ・投光器など活動の効率化等が図れそうな追加の資材を当団体から、ボランティアセンターへ貸出・提供。

昨日(11日)ボランティアに参加していただいた方から、活動先の今後の活動についてアドバイス・要望があったため、萱瀬地区へ向かう。
活動場所の安全確認を行い、活動方法や危険箇所のレクチャーを実施。
土砂がエアコン室外機や給湯用ボイラにかかっていた。当時どのくらいの水をかぶったかわからなかった為、念のため住民の方へコンセントを抜いておくことなどをアドバイス。土砂撤去後に確認してもらうようにと伝えた。

ニーズ2件とも家の裏山が崩れ、土砂が住宅壁面や床下に一部流入していた。
法面崩落箇所は一般ボランティアでは危険と判断。社協ボランティアセンターへ調整を依頼。13日以降、行政へ確認することとなった。

今後も無理のない範囲でボランティアセンター運営サポートを行っていきます。

【ボランティアセンター実績】
ボランティア受付数:28名 ニーズ件数:19件(新規4件) 活動件数:4件(1件完了)