【報告】1/26石巻祥心会鈴木氏講演会「東日本大震災、障害者施設で起こったこと」

2019年1月26日(土)、17時より宮城県石巻市の社会福祉法人石巻祥心会サンネットなごみ管理者の鈴木徳和氏をお招きして、講演会を開催しました。予想以上に多くの皆様に参加していただきました。

 社会福祉法人石巻祥心会は、1991年に法人認定を受け、石巻市を中心に障害を持たれた方の幅広い支援活動をされてこられました。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生後、「地域に支えられ20年、今こそ恩返しをするとき」との合言葉の元、障害者へのさまざまな支援に取組まれました。地震発生直後は、通所施設にいた利用者を自宅に届けようとしましたが、身動きがとれずに施設で利用者と職員で一夜を過ごしたそうです。津波被害を免れたサンネットなごみでは、震災から3日後、福祉避難所を立ち上げ、避難先が見つからない障害者の受入れを行われたとのこと。石巻赤十字病院からも受入れをされたたそうです。最大で100人の障害者と家族が福祉避難所生活を送りました。福祉避難所の閉鎖は7月。活動は、福祉避難所から福祉仮設住宅へと長期間に渡り、地域の被災障害者とその家族を支えました。

  

震災を経験してわかったこととしては、事業の役割を超えた支援の必要性、職員の専門性の壁、ボランティア、物資等のコーディネートの困難さ等々…「被災直後はとにかく自助で乗り切るしかない」という言葉は、鈴木さんから伺うと重みが違いました。「自助」⇒「互助」⇒「共助」⇒「公助」と時間とともに変化していく様のお話は、自分事としてとらえやすかったのではないでしょうか。
今後の課題としては「震災時の行動を法人単位で事前に決めておく」ことなど提示してくださいました。これは、まだ被災地となっていない地域ではぜひ取り組んでおきたいですね。

かながわ311ネットワークが開催する東北グルメフェアなどの物販にて毎回好評の塩蔵わかめは、社会福祉法人石巻祥心会が運営する障害者福祉サービス事業所「くじらのしっぽ」から仕入れているものです。講演会後に、くじらのしっぽ」塩蔵わかめを多くの皆様に購入していただきました。ありがとうございました。

引き続きの名刺交換会では、石巻復興プロジェクト・石巻マルシェから石巻ゆかりの美味しいものを持ってきていただき、日本酒とともに楽しみました。多くの皆様とお話することができました。

【参加者の声】
・普段からの意識付けなしには、非常時には対応が難しいと思いを新たにしました。(私設の)福祉避難所を開設されるまでの話の流れがダイナミックで参考になった。  「血の通った支援」響きました。
・福祉避難所の生の声を初めて聞くことができ、ご苦労がありあまるものと非常に強く感じました。 ボランティアのコーディネートを新潟の方がという話が印象に残った。 発災時、現地の混乱を酢こそでも軽減のため、離れた地域の者たちがもっともっと考えるべきだと思った。
・100%の実現に近づく議論を!という講師の言葉がとても印象に残りました。 地域での話し合いも非常に困難さを感じることはありますが、更に話し合いを進めていく必要性を改めて感じました。 考え方の方向と示すキーワードをたくさん頂けた時間でした。
・災害時の福祉施設の役割。災害に遭った時に利用者や地域の人を守るのは、そこにいる職員や現場スタッフの機転だということ。マニュアルではなく適切に判断することが大切であること。
・震災時の対応を事前に決めておかないと現場の利用者、職員が困ってしまうこと。 被災職員の負担を軽減するためには外部の第三者を立てて、支援のための情報を一元化させることが重要。

【講演会概要】
日時:2019年1月26日(土) 17時から
会場:泰生ポーチ フロント  〒231-0012 神奈川県 横浜市相生町2丁目52 
講師:社会福祉法人石巻祥心会 サンネットなごみ管理者 鈴木徳和氏
協賛:認定NPO法人ゆめ風基金
協力:NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ
   石巻復興プロジェクト・石巻マルシェ