2018年6月23日、10時からかながわ県民センターで、防災教育ファシリテーター養成講座第3回「逃げ地図」でした。講師は、防災教育ファシリテーターの西川哲が務めました。
逃げ地図は、正式には避難地形時間地図といって、(株)日建設計ボランティア部のみなさんによって東日本大震災をきっかけに開発された、避難時間を地図上に可視化し、議論を深めるためのリスクコミュニケーションツールです。建物を設計するときには、何かあったときに短時間で避難が完了するように、避難計画を考え設計するそうで、この考え方がもとになっています。
今回は鎌倉・材木座地区をモデルに津波災害についての逃げ地図づくりです。逃げるべき場所(高台)や避難ビル等が書き込まれている地図を利用します。
参加者がそれぞれ鎌倉に引っ越してきたと仮定し、地図上でそれぞれの家を決めました。
高台の避難場所までの到達時間を、高齢者が傾斜10%の坂道を歩く時の速さ(43m/分)をベースにして地図を色分けしていきます。地図の縮尺に合わせて距離を測る紐を利用します。避難場所から順に、まずは3分間、次に3〜6分、6〜9分、9〜12分、12〜15分と道を塗り分けていきます。分担して作業をしましたが、分岐もあり、細い道も、行き止まりとなる道もたくさんありました。このような地域の特性も逃げ地図づくりをしながら気づくことができます。
色を塗りながらでも気が付いたことは、その都度防災教育ファシリテーターが付箋に書きとめました。
今回は、橋が使えない・津波避難ビルも使えない(知らない)という想定と橋も避難ビルも使える想定の2班で行いました。
色を塗り終えたら次はどの方向に逃げるか矢印を書き込みます。
鎌倉に引っ越すと仮定しての自宅からの避難時間を確認したり、観光客にはどのように知らせるのが良いか、など活発な意見が交わされました。
2班で想定を変えていたので、見比べると色の違いが一目瞭然となりました。
逃げ地図は、これまで各地でワークショップが開催されています。詳細は逃げ地図ウェブをご覧ください。
【参加者アンケート】
・条件の違いにより全く異なる避難路や所要時間になるのはとても興味深かった。実際に避難路を調べておくことが重要と思った。
・隣や裏の家の人と同じ逃げ道がいいとは限らない。是非自分の周りでやってみたいと思いました。
・災害が起こる状況は様々だと思うので、橋や建物が使える、使えないなどの想定を変えて行ったことで、こんなにも状況が違ってくるのかがわかったところが大変興味深かった。
■講座概要■
講座名:ファシリテーター養成講座<初級編第5期>第3回 逃げ地図体験
日時 :2018年6月23日(土) 10:00~13:30
会場 :かながわ県民センター
参加者:9人
講師 :西川哲
サポート:防災教育ファシリテーター 石田真実 谷本恵子 前田牧絵 矢嶋惠子
【エリア】鶴見、高津、相模原、葉山