2018年2月3日、10時から横浜市民活動支援センターセミナールームで、防災教育ファシリテーター養成講座第3回「逃げ地図」でした。講師は、防災教育ファシリテーターの西川哲が務めました。
逃げ地図は、正式には避難地形時間地図といって、(株)日建設計ボランティア部のみなさんによって東日本大震災をきっかけに開発された、避難時間を地図上に可視化し、議論を深めるためのリスクコミュニケーションツールです。建物を設計するときには、何かあったときに短時間で避難が完了するように、避難計画を考え設計するそうで、この考え方がもとになっています。
今回は鎌倉・材木座地区をモデルに津波災害についての逃げ地図づくりです。逃げるべき場所(高台)や避難ビル等が書き込まれている地図を利用します。地域によっては土砂災害、また津波と土砂災害を一緒に考えることもあります。
参加者がそれぞれ鎌倉に引っ越してきたと仮定し、地図上でそれぞれの家を決めました。
高台の避難場所までの到達時間を、高齢者が傾斜10%の坂道を歩く時の速さ(43m/分)をベースにして地図を色分けしていきます。地図の縮尺に合わせて距離を測る紐を利用します。避難場所から順に、まずは3分間、次に3〜6分、6〜9分、9〜12分、12〜15分と道を塗り分けていきます。分担して作業をしましたが、分岐もあり、細い道もたくさんあり、見落としてしまうこともありました。このような地域の特性も逃げ地図づくりをしながら気づくことができます。
色を塗りながらでも気が付いたことは、その都度付箋に書いて地図に貼っていきます。
今回は、橋が使えない・津波避難ビルも使えない(知らない)という想定なので、孤立してしまう集落もあります。
色を塗り終えたら次はどの方向に逃げるか矢印を書き込みます。
最初に選んだ自宅からの避難時間を確認したり、観光客にはどのように知らせるのが良いか、など活発な意見が交わされました。
想定を変えて作成した地図とも見比べてみました。色の違いが一目瞭然です。
逃げ地図は、これまで各地でワークショップが開催されています。詳細は逃げ地図ウェブをご覧ください。
次回は初級編の最終回。2月10日(土)10時から、横浜市民活動支援センターで「HUG」を体験します。
【参加者アンケートより】
・実際に体験してみないと、逃げ地図が何なの分からないので、体験して、実感できたのは良かった。リスクコミュニケーションのきっかけとしてよい活動だと思った。
・リスクを明確に可視化することで、「漠然とした不安」から「どうすべきか」という建設的な思考になると感じた。
・人口減少社会であるならば、リスクの低い場所に住み直すという動きも推進すべきでは、と思いました。
逃げ地図(避難地形時間地図)の効果や必要物品などの詳細は、かながわ子ども防災情報ステーション をご覧ください。
■講座概要■
講座名:ファシリテーター養成講座<初級編第4期>第3回 逃げ地図
日時 :2018年2月3日(土) 10:00~12:30
会場 :横浜市民活動支援センター
参加者:6人
講師 :西川哲
防災教育ファシリテーター:石田真実 大友健 小峰道晴 谷本恵子 矢嶋恵子
【エリア】鶴見、相模原、鎌倉、葉山、三鷹