2017年9月1日(金)、「防災の日」に川崎市立東高津小学校の職員研修として「HUG」を実施しました。
東高津小学校は、多摩川にほど近い川崎市高津区にあります。平成29年度は1,060人の子どもたちが在籍、先生方も51人というマンモス校です。校舎は2010年に建て替えられ、とてもきれいで校庭も広々としています。
今年度、川崎市の防災教育推進校の指定を受け、災害時において「自分の身は自分で守る」ことを第1に考えた防災教育の取り組みを進めています。防災教育を通して、「自助・共助・公助」の考え方を理解し、子どもから保護者へ、保護者から地域へと意識を広めるとともに、有事には自ら動こうとする力を育てたいと考えられているとのことで、私たちの活動目標にも合致する活動をされています。
これまでにも様々な取組みをされてきていて、避難訓練は毎月、抜き打ち訓練も行われているそうです。学区が広く、最大で7000~8000人が学校に避難してくるのではないかという役所の想定があるとのこと。もし平日に避難所開設となった場合、教職員も運営に関わらざるを得ないだろうという意識をお持ちで、今回の「HUG」研修となりました。
今回は、防災担当の先生が東高津小学校の体育館図、敷地配置図を自作し、拡大印刷してくださいました。すごい!!
担当の先生の意気込みが伝わってきます。
研修はいつものように「避難所〇×クイズ」から始まりました。
担当学年を基に班編成されていたので、役割分担までとてもスムーズ。1~15までのカードで避難所運営の基本ルールを決めます。
そこからはいつものように一気に読み進めていきました。パニック状態を体験していただくことも目的の一つです。
先生方それぞれの得意なところを活かして、運営されていたように見受けられました。連携もスムーズに行われていたようです。
班ごとにワークシートをまとめていただき、その段階で他の班の様子を見て回って、自分たちの班のアピールポイントを探してもらいました。その後、順番に発表です。(クリックすると画像が拡大します)
それぞれに多くの気づきがあったようです。実際に災害が起こった場合、時間帯によっては子どもたちの命を守ることが第一になりますが、そのあとの避難所運営について考える良いきっかけになったと思います。
多くの先生が「事前に考えておけること、決めておけることがあることが分かった」という感想を書いていました。今後さらに話し合いを重ね、学校としての対応をより具体的に決めていこうという、とても前向きな空気を感じました。
【ワークシートよりアピールポイント】
・トイレを封鎖してから外に設置。外国人ボランティアを1人つける。地区ごとに病気の人、持病の人、帰宅困難をわけた。
・4階に病人を集めることで、感染症予防
・教室をよく使っていた
・敷地内は禁煙にした
・旅行者の部屋を男女別にした
【参加者の声】
・机上のシュミレーションとはいえ、とても慌ただしくパニックに近い状態になるのでそれを回避するために、事前準備は何が必要かという良い経験になった。
・もしもの時にはもっと混沌として、大変な事態だと安易に予想できた。
・即決することが多く、事前にルールや配慮すべき事を理解共有しておくことが大切と感じた。
・教員として地域の一員として、出来る事を考えるのに、よい体験となりました。
・今日運営ゲームをしてみて、見通しを持って計画しておくことが大切だと思いました。あらゆる可能性を考え、教員同士話し合いをすべきだと感じました。
・掲示の紙の書き方や教室の分け方などいろいろ納得し勉強になりました。この経験をいかしたいです。ありがとうございました。
・今日はありがとうございました。このような体験ができることも知らなかったので、とても勉強になりました。どんどん情報が入ってきて焦ってしまうので、事前の準備やルール作り、その周知が大切だと思いました。
・女性の視線、とても大切だと思いました。二次被害が拡大しないような工夫が必要だと思いました。
・みんなの避難所であるということを1人1人が認識すれば問題が減り、運営がスムーズになり、みんなが心地よい避難所になると感じた。ありがとうございました。
HUG(避難所運営ゲーム)の効果や必要物品などの詳細は、かながわ子ども防災情報ステーション をご覧ください。
■講座概要■
講座名:川崎市立東高津小学校職員研修「HUG」
日時 :2017年9月1日(金) 14:45~16:45
会場 :東高津小学校 会議室
参加者:51人
講師:石田真実
サポート:防災教育ファシリテーター 小峰道晴 谷本恵子 伊藤朋子
【エリア】鶴見、妙蓮寺、相模原、葉山