5月24日、岐阜県岐阜市立境川中学校3年生300人が、修学旅行で横浜にやってきました。
横浜市中区本牧にある三渓園は、明治時代に生糸産業で財をなした実業家 原三渓の住まいだった場所で、175,000㎡の広い園内には、京都や鎌倉などから移築された歴史的に価値の高い建造物が巧みに配置されています。四季の景色が美しく、6月初め頃は、ハナショウブが美しく咲きます。
原三渓は関東大震災後、横浜市復興会会長を務めながら昭和14年に70歳で亡くなるまで、横浜の復興に私財を投じ心血を注いぎました。横浜市の小学校の副読本にも掲載されています。
この原三渓さんは、岐阜市の出身だそうで、地元の偉人の足跡をたどって横浜にやってきました。
「社会貢献のできる大人に育って欲しい」という先生方の思いにかなう話を、と依頼を受け石田理事(防災教育担当)が講演をしました。
修学旅行初日の夕食後ということで、眠くなる時間帯でしたが、熱心にメモを取りながら話を聞いてくれました。
東日本大震災では、横浜も大きく揺れましたが、遠く岐阜でも震度4の揺れを感じたそうです。
震災当日の横浜周辺の映像には、どよめきが起こり食い入るように見ていました。また、翌日には東京ディズニーランドに行くということで、震災時のディズニーランドの対応を紹介しました。従業員(キャスト)それぞれが判断し、当時園内にいた7万人の来場者(ゲスト)に対して行った対応は、のちにニュースで特集を組まれるなど、注目を集めました。
後半は、東日本大震災時に中学生が活躍したエピソードとその経緯をお話ししました。
ディズニーランドにしても、震災時の中学生の活躍にしても、なぜそれができたのかを考えると、「普段からやっていたから」。
普段やっていないことは緊急時にもできない。中学生の部活動に例えると「練習でやってないことは試合でできない」。だから普段の練習が大切なのです。
境川中学校は、一級河川である長良川と木曽川の本流に挟まれ、学校のすぐそばには長良川支流の境川が流れており、昔は、10年に一度は大水害に襲われていた土地です。そのような立地から防災教育にも熱心に取り組んでいます。
岐阜市教育委員会ホームページ 家庭・地域と連携した防災教育推進事業
「中学生はまだ子どもだから、何もできない」と思っている中学生がとてもたくさんいます。そして大人も同じように思っている。しかし、そんなことはありません。被災地で、子どもたちのおかげで元気を取り戻した大人がたくさんいます。中学生にできる社会貢献はたくさんあります。「自分にもできることがあるんだ」という自信を持ち、ひとつでもいいから、地域のために社会のために役立つことを見つけてもらえたらうれしいです。
お礼の言葉(書き起こし)
「今日は僕たちのために貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。お話を聞いて、釜石東中学校や階上中学校が行ったように、中学生の僕たちにもいろいろなことができることが分かりました。なので僕たちも、地域のために何ができるかを考えて、積極的に行動していけるようになりたいと思います。今日は本当にありがとうございました。」
■講演概要■
日時:2017年5月24日(水)18:15~19:15
参加者:岐阜市立境川中学校 315人(内訳:中学3年生298、教員17)
講師:石田真実
補助:伊藤朋子