2017年2月17日(金)、横浜市立中川西中学校の学校保健委員会が開かれました。
前半は、保健委員会として取り組んできた取り組みについて、執行部から発表がありました。
保健委員会では今年度、「自助」「共助」をテーマにした2本のVTRを作成し、避難訓練の事前指導として使用してきました。また、夏の防災学習での講演を受けて、自助・共助・公助について調べ、中学生にできることを考えました。
後半は、「防災 クロスロード~Yes or No 災害時あなたならどうする?~」と題して、クロスロードを実施しました。
クロスロードは、阪神・淡路大震災で災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューをもとに作成された、カードゲーム形式の防災教材で、災害時に起こる答えのないジレンマを体験するゲームです。
簡単にゲームの説明をしたあとは、さっそく練習問題。
問題:あなたは食糧担当の職員です。
被災から数時間。避難所には3000人が避難しているとの確かな情報が得られた。 YES 配る or NO 配らない |
出された問題について、自分だったらどうするかを考え、YES・NOの答えを決めます。全員の答えが決まったら「オープン!」のかけ声でYES・NOカードをオープン。
多数意見は青ざぶとんを獲得、オンリーワンの意見だった人には金ざぶとんが進呈されます。
順番に一人ずつ理由を発表し、意見交換をします。
練習問題でも意見が分かれますが、このゲームのポイントは、自分と違う意見でも否定しないこと。
自分と違う意見を持つ人がいることや、物事にはいろいろな考え方や捉え方があることを実感することが、このゲームのねらいでもあります。
さて、問題を読むのは先生にバトンタッチして、ここからが本番です。
全部で10問のジレンマについて考えました。
PTAの方や先生も生徒と一緒に班に入ってもらったので、世代を超えていろいろな意見が飛び交っていました。
他の人の理由を聞くうちに「そう言われてみれば、そうかも」と意見が揺らぐ人がいたり、YES・NOで答えは違うのに理由を聞くと同じことを話していたり、どのグループも活発に意見交換していました。
10問終わったところで、今度は「自分で問題を作ってみよう!」のコーナーです。
事前打ち合わせで担当の先生は「問題を作れる子は、ごく一部だと思います」と言っていたんですが、予想をはるかに超え、全員が問題を作ってくれました。中には3問作った生徒も。
最後に生徒に作った問題を披露してもらいました。
問題:あなたは被災者です。
避難所でインフルエンザが流行。 YES 分ける or NO 分けない(自分たちだけで使う) |
3月の防災学習では、保健委員が進行役となり、各クラスでクロスロードを実施します。
どんな意見が出るか、楽しみですね。
<生徒アンケートより>
●ひとつひとつの問題がとてもきわどくて本当に自分が被災した時のことを考えさせられました。
●正しい答えなんてない、と分かった。それぞれが違う意見を持っていておもしろかった。
●私が今回学んだことは、大変なことが起きてもひたすら悲しむのではなく、地域の人と協力して冷静に思いやりを持って行動することが一番大切だと思いました。
●他の人の立場になって考えることの重要さを知れてとても良い経験になりました。
●すごく判断に困る質問が多々あって難しかった。みんなの意見を聞くことで物事をいろんな視点から見ることができた。そしてますます迷い、本当に正解見つけ出すことはできないんじゃないかと思った。
クロスロード(災害対応カードゲーム)の効果や必要物品などの詳細は、かながわ子ども防災情報ステーション をご覧ください。
■講座概要■
日時:2017年2月17日(金) 12:45~14:15
会場:横浜市立中川西中学校
参加者:52人 (生徒保健委員40、PTA成人保健委員5、教職員7)
講師:石田真実
サポート:防災教育ファシリテーター 岡田賢吉 小峰道晴 西川哲 矢嶋恵子 藪下牧絵 山下圭子
【エリア】港南台、保土ヶ谷、高津、鎌倉、葉山