2月16日木曜日の夜、復興キッチンVol.14が「『濱の料理人』で東北の食材を楽しむ!」と題して開催されました。前回に引き続きお店に東北の食材を取り寄せていただき調理をお願いするというスタイルの2回目です。
会場となった横浜駅西口の居酒屋「大ど根性ホルモン」は横浜の地で美味しい野菜を求めて努力している農家と寄り添い、本物の味を提供してくれる数少ないお店です。オーナーシェフの椿直樹さんは震災直後から東北に心を寄せ、店で使うドレッシングを陸前高田市の老舗八木澤商店と共同開発してきました。店名の「ど根性」には“土に根ざして生きる”の意味が込められている、とのことで、東北の魚介類と横浜産の野菜とを取り合わせた気持ちのこもったメニューとなりました。
【当日のメニュー】
・前菜盛り合わせ
・ホヤと苅部大根のキムチ
・カキのムニエル 小松菜ソース
・新ワカメのフリット
・ど根性サラダ
・鱈のシウマイ
・あんこう鍋
・あんぽ柿とマスカルポーネのクレープ イチゴのソース
〈飲み物〉
・フリードリンク(日本酒は特別に宮城県の「一ノ蔵」特別純米酒を取り寄せていただきました)
魚介類は八木澤商店の紹介により陸前高田市の橋勝商店から、あんこうは相馬市の株式会社センシン食品からそれぞれ取り寄せました。野菜はすべて横浜市内産のものです。
開会に先立ち「食品ロス」をなくす取り組みが紹介され“食べ残したら支援になりません、料理を残さずいただきましょう”という話がありました。続いて厨房からきていただいた椿さんから震災後のご自身の体験や東北と食に対するこだわり、安全で安心して食べることのできる本物の食品を提供したいという東北の生産者との共通した思いなどをうかがい、その後お待ちかねの乾杯となりました。
美味しい料理をいただきお酒もすすんだところで、長年ボランティアとして東北の復興を応援されている3人の参加者の方からそれぞれの体験に基づいた貴重なお話をうかがいました。ただ美味しい料理をいただくだけでなく、こうした貴重な経験交流の場としての復興キッチンの役割を再認識することができたことはとても意義があり、また心に残るものとなりました。
料理はどれも素晴らしいものでしたが、とりわけカキのムニエルが絶品で、後日参加者から「あんなに美味しいカキはこの後どうやったら食べられるのか?」というメッセージがきたほどです。雑炊で締めたあんこう鍋も、あんぽ柿とマスカルポーネを取り合わせたデザートも秀逸でした。。
開会直後から会話は止まらず予定の2時間はあっという間に過ぎ、お店の厚意で延長していただいた30分も超過してしまい、3時間が過ぎた頃ようやくお開きとなりました。ふだん東北の復興応援ということは考えていてもそのことをゆっくりと話し合うという体験はなかなかできなくなってきています。そうした場としての「復興キッチン」の役割も感じられた貴重な時間となりました。
参加者はスタッフを含め20名と少なめでしたが、参加された皆さんからはとても良い評価をいただきました。復興キッチンは今後も場所を変え、形を変えて続けていきたいと思います。どうぞ次回をお楽しみに。
記 山下潔