【報告】10/29防災教育ファシリテーター養成講座<上級編>第2回畑山先生講演

2016年10月29日(土)、防災教育ファシリテーター養成講座<上級編>の第2回は、京都大学防災研究所の畑山満則教授にご講演いただきました。タイトルは「減災社会をつくるために地域や学校で考えておきたいこと」。

「日本に住むということ」=「災害と正面から向き合うこと」
東日本大震災以降、毎年のように日本のどこかで自然災害が発生し、大きな被害に見舞われています。
災害リスクとは何か、防災で必要なこと、自助・共助・公助、正しい行動とは何か?などなど、日本で暮らす私たちにとって知っておかなければと思うことを事例を交えてお話いただきました。

後半では、「オーダーメイド避難」の事例を伺いました。
<事例1:焼津津波避難プロジェクト(静岡県焼津市)>
短時間で大津波が襲う「南海トラフ巨大地震」を想定した訓練です。
『研究機関(京大防災研など)× 自主防災組織 × 地元高校』で、『地理空間情報 × 津波シミュレーション × インタビュー調査』に取り組みました。頻繁に焼津に出向くことのできない研究機関の人たちにかわって、地元高校生がシミュレーションのためのデータ加工を手伝い、津波避難に対する啓発活動を行いました。あるお年寄りは、「津波が来るまでの数分間に避難所まではとても逃げられない。だから逃げない。」と避難すること自体をあきらめていました。そこで、避難所より近いコンクリート造り3階建てのお宅に避難させてもらえるよう、高校生がお手伝いして交渉しました。実際に訓練して時間を計ってみると時間内に逃げ切れることがわかり、この方は「これなら助かるなぁ。」と避難することを前向きに考えるようになりました。映像では、この方のほっとした笑顔がとても印象に残りました。
また「津波避難シミュレーション映像を見ても、よく分からない、実感できない。」という声があったことから、高校生が津波役(ツナミスト)になり、地元の人たちに津波の速さや高さを実感してもらう試みをしました。実際の津波の速度は私たちの想像以上に速いものです。画面で見てるものを実社会に置き換えるこのような試みは、とても大切だと思いました。

ツナミスト
この様子はNHKスペシャル「巨大災害 MEGA DISASTER Ⅱ日本に迫る脅威 第二集 大避難 命をつなぐシナリオ」でも放送されました。

<事例2:まるごとまちごとハザードマップ(滋賀県米原市村居田地区)>
出川の内水氾濫からの避難に焦点を当てた取り組みです。
『行政(県や市など)× 自主防災組織 × 地元工業高校』で、『避難マップ作成 × まるごとまちごとハザードマップ設置 × 簡易量水標の設置』に取り組みました。「何があっても命を守る仕組み」と題して、まちあるきで危険箇所を確認し、「村居田 水害時の道しるべマップ」を作成。マップに掲載された想定浸水深を町中に設置する「まるごとまちごとハザードマップ設置」では、地元の工業高校の生徒が測量をして、想定浸水深の高さに標示を設置しました。行政は川に架かる橋や護岸に簡易量水標を設置し、地元住民と学校、行政がそれぞれの得意分野を生かした取り組みとなっています。

まとめとして
・ハザードマップには「安全なところ」とは書いていない(色がついていないからといって安全ではない)
・家族がどこにいるのかを連絡できる体制をつくる
・逃げるのは思った以上に難しい
・訓練は効果的ではあるが、訓練のための訓練ではダメ

改めて最初の言葉です。
「日本に住むということ」=「災害と正面から向き合うこと」
「自らの意志で行動できる人になりましょう。地域で助け合える関係を作りましょう」。という言葉で締めくくられました。

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質問タイムを兼ねたランチミーティングでは、お子さまのお話や熊本地震での支援のお話など、とても気さくにお話しくださいました。

<関連リンク>
京都大学防災研究所
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/
減災社会プロジェクト
http://www.drs.dpri.kyoto-u.ac.jp/gsp/

■講座概要■
日時:2016年10月29日(土) 10:00~13:30
会場:かながわ県民活動サポートセンター 11階 講義室1
参加者:17名(内スタッフ3名)
講師:京都大学防災研究所 畑山満則教授