【PR】「季刊311ネット」 2016年秋号

報道関係各位
2016年10月27日

横文字二段

「季刊311ネット」 2016年秋号

~ごあいさつ~
昨年の北関東の水害はまだ記憶に新しいところですが、今年の台風シーズンは、東北地方北部、北海道に大きな水害をもたらしました。台風10号は、8月30日、岩手県 (大船渡市付近) に上陸しました。1951年に統計を取り始めて以来初めての出来事とのことです。過去100年以上なかったような異常気象が、最近では頻繁に発生しています。
自分たちの住む土地の特質をよく知り、どのような災害が起こり得るのか、いざというときを想定して、家族で対応を話し合ってみましょう。離れて暮らしている家族の安否を確認する手段のことなど、考えてみませんか?他所の災害を基にしたイメージトレーニングや、地元の防災訓練などの場は、真剣に向かい合えばリアルな訓練の場とすることができます。「まさか」「どうせ」と思考を停止してしまうのではなく、災害に備える気持ちを持ち続けることを忘れずにいたいと思っています。
災害はその土地と気候に結び付いています。そのため土木、建築面での対策は、災害の種類や土地によって異なります。しかし、いくつかの災害復旧現場を訪ねる中で、多くの人が被災し災害ボランティアセンターが設置されるような事態になったときにやるべきことには、多くの共通点があることに気が付きました。私たちは、これからも、自分たちの持つスキルを生かして、「支援を行いたい人と、支援を必要としている人を結ぶ」ために必要な支援を続けていきます。この活動は、第一にはもちろん、今困っている方たちを少しでもお助けするためですが、いずれ自分たちが災害当事者になる日を想定したトレーニングの意味もあります。
私たちNPO法人かながわ311ネットワークは、熊本地震に加え、台風10号の被災地の復興に向けても、微力ながらお手伝いをしています。熊本県宇城市では、仮設住宅、見なし仮設住宅での生活が既に始まっています。10月1日からスタートした「地域支え合いセンター」が、被災者の支援を始めました。先日までの暑さが去っていよいよ寒い季節を迎えます。仮設暮らしの中では、冬に向かい、心配なことがいろいろ出てきます。また、台風10号の被災地は大変寒い地域です。本格的な雪が降り始める前に、少しでも生活の立て直しが進むことを祈っています。

代表理事 伊藤 朋子

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写真上:地域支え合いセンターでの講習風景、
下:市民グラウンドに建てられた 当尾仮設住宅。
いずれも熊本県宇城市

~各事業・プロジェクトの報告~

【災害復興支援事業】 (担当理事 谷永、石田)
熊本地震支援 (担当理事 谷永)

2016a03地震発災直後から支援活動を行っている熊本県宇城市では、災害ボランティアへのニーズが減少し、6月からは生活復興支援ボランティアセンターへと移行しました。
入居が始まった仮設住宅への訪問活動を社協職員 (包括支援センター職員も含め) とNPOとが協同で実施し、入居世帯の調査を行いました。入居後の困りごと相談やコミュニティづくりの必要性などの把握も併せて実施しました。入居者からは、「入居後2週間が過ぎても隣近所の人が分からない」「集会所があるのに使わないのか」「お茶会とか集まる機会があればよいのに」という声が聞かれました。訪問活動の中で、行政や保健センターへつないだほうがよい事柄なども聞かれ、それらを共有するために生活支援連携会議を開催しました (社協、包括支援センター、市役所、保健センター、保健所から各1~2人が出席)。会議では、最近の動向や、入居者からの困りごと・訪問日の調整などを行っています。2016a04
入居者の声にもあった、仮設住宅団地内にある集会所を活用したお茶会の計画が練られ、開催日当日には世帯数の多い団地では20人以上の方が参加し、ご近所の方々と話に花を咲かせていました。
一方、避難所の方は集約が進められ、現在は1カ所のみとなりました。避難所での生活が長期化することで、その後の自立した生活に支障が出る可能性があることから、帰宅可能な方には帰宅を促したり、ニーズや要望の聞き取りを行ったりしています。生活復興支援ボランティアセンターで対応できることとして、入居が決まったみなし仮設や仮設住宅への荷物の運搬などを関係団体につなぎ、少しでも早く新しい生活が送れるよう、アウトリーチを行いました。また、避難所にいる方それぞれから直接話を伺い、アセスメントを行い、避難所生活が長期化している理由と解決策を聞き、全容把握をしました。
現在は、避難所と仮設住宅での支援やそれらを運営する社協の運営の支援、「地域支え合いセンター」(こうした活動の10月以降の実施主体) の役割や業務内容の整理を行ったり、東日本大震災の各地の動きや事例などをピックアップして初任者用の導入資料を作成したりするなど、被災された方々へのアプローチがスムーズに行えるよう、各種支援 (助言や資料作成など) を行っています。また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク (JVOAD) との連携で、地域情報交換会に出席し、県や県社協からの情報を入手したり、各市町の動きなどを把握したり、意見交換を行ったりなどもしています。

台風10号被害 岩手県岩泉町、久慈市支援 (担当理事 石田)

2016a058月19日に発生した台風10号は、8月30日に岩手県に上陸するという特異な進路をたどり、宮古市、岩泉町、久慈市は甚大な被害を受けました。既に岩泉町で支援活動を始めていた「NPO法人遠野まごころネット」から連絡があり、神奈川からのボラバス企画の打診を受けたことから、9月13~17日に理事の石田が岩泉・久慈に現地調査に入りました。
● 岩泉町での活動
(1) いわてNPO災害支援ネットワーク現地本部に合流し、現状を把握 (同ネットワークは、特定非営利活動法人いわて連携復興センター、一般社団法人SAVEIWATE、特定非営利活動法人遠野まごころネットが立ち上げた団体。災害発生時に行政、社会福祉協議会、企業、県内外NPOという多様なセクターと連携、推進を目的として活動しています)、(2) ボランティア宿泊施設予約フォームの作成、自動返信プログラムの設定から運用開始、(3) ボランティア宿泊施設利用に当たってのルール作成のポート (原案提供)、(4) 避難所となっている龍泉洞温泉ホテルのFacebookページ作成、情報発信に関するサポート、(5) 神奈川からのボランティアバス企画に関する調整、(6) 第2回現地会議出席、(7) ボランティア向けマップ作成 (位置情報付のツイッターアプリDITSを利用して発信⇒横浜でグーグルマップにプロットし発信者にフィードバック⇒発信者が位置情報の誤差を修正、という手順で作成)。

● 久慈市での活動
(1) 災害ボランティアセンターにて現状を把握、(2) ソフトバンク携帯電話の無料貸し出しを手配、(3) ボランティア登録フォームの作成、自動返信プログラムの設定から運用開始、(4) 久慈市災害ボランティアセンターFacebookページでの情報発信に関するサポート、(5) 久慈市災害ボランティアセンターのホームページの作成、(6) 被災者配布用のチラシ (災害ボランティア依頼方法) の作成 (横浜のメンバーに原案作成を依頼し、久慈で修正)、(7) 市役所総務課にて、被災状況 (数字) の確認、情報発信に関する意見交換、(8) 神奈川からのボランティアバス企画に関する調整、(9) ボランティア向けマップ情報追加 (位置情報付のツイッターアプリDITSを利用して発信⇒横浜でグーグルマップにプロットし発信者にフィードバック⇒発信者が位置情報の誤差を修正、という手順で作成)。
現在も横浜から、ボランティア登録フォームや自動返信プログラムのメンテナンス、ホームページやFacebookページでの情報発信、ボランティア希望者からの問い合わせ対応、神奈川からのボランティアバス企画に関する調整、旅行社と受け入れ先との連絡調整、といった支援を継続して行っています。

【東北未来カフェ】 第2回気仙沼編、第3回女川町編報告 (担当理事 谷本、伊藤)

東北未来カフェは、東日本大震災の被災地の今を知り、明日を考える機会にしたい、という思いで、311ネットが今年度お届けする連続企画です。東日本大震災から5年、被災地の現状を再確認し、復興への課題や問題点を共有して、私たちが「かながわ」からできることをあらためて考えてみませんか。
12月までに全6回を開催する予定です。

東北未来カフェ第2回 宮城県気仙沼市編 (担当理事 谷本)

2016a06第2回東北未来カフェ<気仙沼編>は、2016年7月30日(土)、関内のさくらWORKSで開催されました (参加者人数:16名、うちスタッフ4名、詳細報告は、https://kanagawa311.net/16046 をご覧ください)。ボランティアバスでよく訪れていた宮城県気仙沼市の現状を知ろうということで、気仙沼プラザホテルの堺 丈明支配人に講演をお願いしました。気仙沼プラザホテルは、ボランティア活動後にお風呂を利用させていただいていました。
まずは気仙沼市の概要。被災前に安波山 (あんばさん) から見下ろした気仙沼の写真を見ながら、「この状態に戻るんだ」という気持ちを話してくださいました。
「災害から自分の命を守るため。家族や友達、地域を守るため」「現地を観る、現地の人の話しを聞く」「自分ごと」「心構え」として聴いてください、と、あらためて東日本大震災の被害の概要もお話しくださいました。気仙沼市は震度6弱、揺れは6分40秒も続いたそうです。死者1,214名、行方不明者もいまだに220名。

2016a07現在は、かさ上げ工事や防潮堤の建設が進み、災害公営住宅も続々と完成しているそうです。JR気仙沼線と大船渡線はBRT (バス高速輸送システム) での運行となっており、鉄道の復旧にはお金がかかるため難しいだろう、ということでした。道路は三陸自動車道の工事が着々と進み、大島への架橋工事が始まり、平成30年完成予定だそうです。復興に向けての歩みが進んでいると思う一方で、仮設商店街や、原発の風評被害など、いまだに厳しい現状もあることも知りました。また、「ちょいのぞき気仙沼」と題し、なかなか体験できない漁船への乗船、漁具屋・氷屋・造船所への潜入、寿司にぎりなどを観光客に体験してもらう、「観光チーム気仙沼」の取り組みも紹介いただきました。
講演後は堺さんのおすすめ、旬の「かつおのたたき」をメインに、気仙沼ならではの食材を参加者の皆様と楽しみました。7月23日に横浜ワールドポーターズのヨコハマポートマーケット内にオープンした「気仙沼PORT」から、仕入れ担当の小野寺亮子さんも急遽駆けつけてくださり、気仙沼で開発された「牡蠣ドレッシング」「ホヤソース」「XO醤」「オイスターソース」等々をご紹介いただきました。どれも参加者には大好評でした。
「皆さんの町で過去の災害史から“想定”される今後の災害は?自治体のハザードマップなどでどこが危ないか知っておく!」。まさに311ネットの防災教育で目指していることとも一致するお話を伺うことができました。

東北未来カフェ第3回 宮城県女川町編 (担当理事 伊藤)

2016a08第3回東北未来カフェ<女川編>は、8月20日(土)、宮城県女川町から一般社団法人「コミュニティスペースうみねこ」代表の八木純子さんをお招きして、関内のさくらWORKSで開催されました (参加者38名、うちスタッフ5名、詳細報告は、https://kanagawa311.net/16268 をご覧ください)。
石巻で地震に遭遇した八木さんは、当初は乳幼児をかかえて避難所で苦労しているママたちをサポートしました。これが以前の団体名「ママサポーターズ」の由来です。その後、やることがなくなった高齢女性の生きがいづくり、続いて高齢男性の仕事づくりなど、精力的に活動しています。
2016a092015年3月の女川駅移設営業再開、2015年12月の駅前商店街開業と、「復興のトップランナー」と呼ばれる女川では、着々とまちづくりが進んでいますが、傷ついた人の心の復興はまた別の話です。一見元気そうな子どもたちがかかえる心の傷、一歩踏み出せなくなっている若者、先の見えないお年寄り。復興の先端と、踏み出せない人の間には、震災前よりも格差が大きくなっているようです。相談相手、支え手としてのいつも元気で前向きな八木さんが抱える悩みの一端を見せていただける会となりました。
当日の食材の多くは、会場近くの横浜南部市場の東北再生支援ショップ「愛と勇気とさんま」から取り寄せました。様々な形で八木さんと既につながっている方々が多かったのですが、支援者同士の横のつながりが広がる、良い会となりました。

【児童・生徒の防災教育推進事業】 (防災教育事業 担当理事 石田)

2016a10いざという時、自分のいのちを自分で守れる子どもを育てること、すべての子どもが、生き抜く力をつけることを目的に、小中学校での防災教育に取り組んでいます。かながわボランタリー活動推進基金21協働事業負担金対象事業として採択され、県との協働事業として進めています。
昨年度作成した「かながわ版防災教育プログラム」を、今年度はモデル校3校で導入し、プログラムの実施検証をしています。横浜市立中川西中学校では、夏休み明けの8月30日に全校生徒に向けて防災講演会を実施しました。また避難訓練時に放映する映像を保健委員会の生徒が製作するということで、共助についてアドバイスをしました。横浜市立並木中学校では、HUG (避難所運営ゲーム) を職員研修と保健委員会の研修として実施しました。また9月25日には地域防災拠点訓練に生徒と一緒に参加し、地域の訓練における生徒の役割などを確認しました。座間市立入谷小学校では、7月8日に防災講演会を実施。「陸前高田ハナミズキのみちの会」から淺沼ミキ子さんをお招きし、お話していただきました。また職員研修として「かながわ版防災教育プログラム」の説明と模擬授業を行いました。
2期目を迎える「防災教育ファシリテーター養成講座<初級編>」は、昨年同様、全4回の講座として7月30日、8月6日、8月20日、9月3日に実施しました。今年も定員を超える応募があり、27人の受講生のうち22人に修了証を交付しました。10月15日からは上級編を開講し、17人の受講生が切磋琢磨しています。
2016a11さらに、神奈川県特命子ども地域アクタープロジェクト (実施主体NPO法人ミニシティ・プラス) とのコラボ企画で、「防災ゲーム・小中学生モニター体験」を8月25日、28日に行いました。DIG (災害想像ゲーム) やクロスロード、HUG (避難所運営ゲーム) を小中学生にモニター体験してもらいました。半日みっちりだったので子どもたちはヘトヘトでしたが、どのゲームも真剣に取り組み、学校で実施するときの改善点など、子ども目線でいろいろな意見を出してくれました。9月19日には横浜市民防災センターの見学をし、11月23日にあーすぷらざで開催する「かながわボランティアフェスタ2016」の一企画として、「防災GO」の企画を、子どもたちと一緒に考えています。
横浜市、逗子市、茅ケ崎市の小学校・中学校・団体等から、DIGやHUGの講座依頼をいただいています。防災教育ファシリテーターの実践の場にもなりますので、興味のある学校や団体の方はお気軽にご相談ください。各講座の様子は、https://kanagawa311.net/category/project/prject_kikin21 をご覧ください。

【講座事業】 (担当理事 伊藤)
今年も、神奈川県コミュニティカレッジ連携講座として、ICTを防災に生かす講座「災害時に生き抜くためのインターネット活用術」を10月30日から開講します。例年お願いしている、京都大学防災研究所の畑山満則教授に初回と第4回の講師をお願いし、全5回の講座として開講いたします。今までの受け身の防災対策ではなく、自分から助けを求める、発信する、情報を取りに行く防災、について、皆さんと学びたいと計画しています。お申し込みは開講日前日までお受けいたします (全日程とも10:00~13:30)。詳細は、https://kanagawa311.net/16027 をご覧ください。

※「NPO法人かながわ311ネットワーク」とは
NPO法人かながわ311ネットワークは、東日本大震災において、神奈川県と神奈川県社会福祉協議会との協働により「かながわ東日本大震災ボランティアステーション事業」を運営したボランティアが立ち上げた法人です。
東日本大震災での活動経験を生かかし、被災地の緊急支援活動、防災教育事業に取り組むとともに、東日本大震災の被災地復興支援活動を継続して行っています。
大きな災害が起こったときには、復興活動や避難所運営の支援、ボランティアの企画・実施も行います。
設立:2013年5月1日 NPO法人化:2013年10月1日 認定NPO法人化:2016年8月1日

【これまでの活動実績】
I 被災地の緊急支援活動
1. ボランティバスの実施
① 2014年7月山形県南陽市水害 (2回・のべ55名)
② 2015年9月~11月北関東水害 (6回・のべ251名)
2. 被災地の災害ボランティアセンターの支援等
① 2016年4月~ 熊本地震 (熊本県宇城市災害VCの立上げ・運営支援等)
II 防災教育事業
① ICTを活用した防災学習 (神奈川県かながわコミュニティカレッジ:2014年度・2015年度・2016年度)
② 児童・生徒の防災教育推進事業 (神奈川県教育委員会との協働事業:2015年度・2016年度)
III 東日本大震災復興支援事業
1. ボランティアバスの実施
① 気仙沼市等へのボランティアバス (2013年6月~、23台)
2. 復興応援イベント
① 復興キッチン:東北の食材やお酒を楽しむ会13回 (2013年7月~)
② グルメフェア:東北の加工食品の頒布会 3回 (2013年11月、2014年12月、2015年11月)
3. 勉強会
① 防潮堤勉強会2回 (2013年10月、2014年8月)
② かながわ発U-22 被災地行ってきました。 3回 (2013年11月、2014年6月、2014年11月)
③ 東北未来カフェ (2016年7月第1回開催 <予定>全6回+フォーラム開催 )

◆取材等のお問い合わせ先:
かながわ災害救援ボランティア活動支援室
「NPO法人かながわ311ネットワーク」
045-312-1121 内線4140(火・水・金13時~19時)
070-5577-5394 (月~金10時~18時)
✉️info@kanagawa311.net
ホームページhttp://kanagawa311.net

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