【PR】「季刊311ネット」 2016年夏号

報道関係各位
2016年7月27日

横文字二段

「季刊311ネット」 2016年夏号

~ごあいさつ~
間もなく8月、暑さも本番を迎えます。
5月21日にかながわ311ネットワークの総会と事業説明会を済ませ、2016年度の活動が本格的に始まりました。
今年度の東北支援の中心企画は、「東北未来カフェ」(6回シリーズ+フォーラム) です。防災教育事業も、各地で子どもたち、先生方、避難所運営委員会などさまざまな方からご依頼を受けて、講座を開催しています。
4月14日の夜から相次いでいる熊本地震は、3カ月以上が経過しました。仮設住宅の建設が進んできましたが、いよいよこれからが復興への第一歩です。熊本県災害対策本部の報告は7月18日で第126報となりましたが、長く続く余震や梅雨の豪雨災害によって、人的被害、住家被害とも、いまだにじわじわと増え続けています。現地で支援を続けている311ネットの谷永理事と協力しながら、横浜からは、4月から5月にかけて、Facebookでの情報発信のアドバイス、ホームページ記事の作成、Googleフォームを利用したボランティア事前受付の仕組みづくり、Amazonのほしい物リストを活用した支援物資の受付といった運営支援を行ってきました。
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私自身も6月下旬に3日間、熊本を訪問してきました。雨の中、熊本城の痛々しい姿に胸が痛みました。
宇城市には、Facebookページの運営担当者の変更をサポートする予定で訪問しましたが、梅雨の集中豪雨が続いている時期でもあり、社会福祉協議会の建物にも崩れた土砂が押し寄せたり雨漏りが発生したりしたため、ICT支援の時間は残念ながら少ししか確保できませんでした。
仮設住宅への入居が始まり、少しずつですが前に進んでいます。宇城市では5月末で災害ボランティアセンターは閉鎖されました。今後は生活復興支援センターを通じて被災者の支援を行っていくとのことです。今後の避難所、仮設住宅の支援の場面でまたボランティアの募集などの広報が始まれば、311ネットでも情報発信や収集のお手伝いをする予定です。
代表理事 伊藤 朋子

~各事業・プロジェクトの報告~
【災害復興支援事業】 熊本地震支援 (事務局担当理事 谷本)

311ネットの災害復興支援事業担当理事である谷永が、現在、熊本地震支援を行っています。仕事の関係で転居した長崎県から、休日や休暇を利用して熊本県宇城市へ行き、活動を続けています。震災がつなぐ全国ネットワークの所属団体として、さらには全国災害ボランティア支援団体ネットワーク・JVOAD ( http://jvoad.jp/ )
(官と民、民間団体同士の連携をつくり、情報の集約と広域でのコーディネートをするための仕組みづくり) にかかわってきたという背景もあります。
季刊311ネット夏2
4月21日に現地に入り、県南の八代市、宇土市、宇城市の状況確認を行い、翌22日に宇城市社会福祉協議会 (社協) を訪問しました。先に被災地NGO恊働センターの代表が宇城市役所危機管理課を訪問して依頼事項を受けていましたが、他の地域の支援活動で手一杯のため、谷永が宇城市からの依頼事項を引き継ぐ形で支援に入りました。
当初は災害ボランティアセンターの運営支援を行い、横浜からは情報関係での支援も行い、必要な物資も届けることができました。
土足のまま出入りする避難所もあったため、衛生面に配慮した改善が急務となり、保健師さんと一緒に関わるようになりました。まだまだ余震も多く混乱していた時期でしたが、避難所の環境整備などのアドバイスを行うとともに、必要な物品も提供・設置しました。
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宇城市は、比較的早い段階で災害ボランティアセンターから生活復興支援センターに移行しました。現在は仮設住宅も順次完成し、早いところでは入居も始まっています。しかし、さまざまな要因で避難所での生活が長期化してしまう世帯があることも把握されており、仮設住宅での支援と避難所での支援を並行して行っていく必要があります。
フェーズがどんどん変化する中で、宇城市の社協職員や行政職員の方の信頼も得ることができました。今回のような長期にわたる避難所運営、仮設支援の経験がなかった社協・行政と、仮設支援の経験があるNPO等とをつなぐ役目も担っています。これまでの被災地支援で培ったネットワークを生かし、被災された方のことを第一に考えて活動しています。
世界有数の自然災害大国と呼ばれる日本では、私たちは常に災害リスクを抱えて生活しています。過去の災害からさまざまな学びを得てきました。その学びを今回の支援活動に生かし、さらに今回の活動から新たな学びを得て、これからの防災教育に生かしていこうと考えています。

【東北未来カフェ】 イベント報告:第1回東北未来カフェ (岩手県大槌町編) (担当理事 吉田)
東北未来カフェは、東日本大震災の被災地の今を知り、明日を考える機会にしたい、という思いで、311ネットワークが今年度お届けする連続企画です。東日本大震災から5年、被災地の現状を再確認し、復興への課題や問題点を共有して、私たちが「かながわ」からできることをあらためて考えてみませんか。全6回の企画です (第1回:7月3日、第2回:7月30日、第3回:8月30日、第4回:10月8日、第5回:11月上旬予定、第6回12月上旬予定)。
第1回東北未来カフェは、2014年4月から2016年3月の2年間、大槌町へ派遣されていた横浜市の職員、田中一樹氏、中尾祐次氏のお二人をゲストにお招きし、7月3日 (日) にBUKATSUDO (みなとみらい・ドックヤードガーデン) にて開催されました。東日本大震災の被災地に縁のあるゲストをお呼びし、お酒を片手に語らう「ゆるり」としたイベントとして開催しています。仕事や思い出などの話を伺い、その後、大槌町に縁の深いお取り寄せの日本酒とおつまみを楽しみみながら、大槌の未来を一緒に語らいました。
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大槌でのお二人の主な仕事はコミュニティの再生。自治会の方々と膝を突き合わせながら、町の復興に向けて語り合ったそうです。お話の中で印象に残ったのは、小学校に入る時期のお子さんを持つ親御さんは、このまま大槌で子どもを育てるのか、それとも内陸などインフラの整った環境に引っ越すのか、大変悩まれているとのこと。子どもたちの教育環境の再生が被災地では今でも課題となっているとのことでした。思い出の写真をご紹介いただくコーナーでは、越田鮮魚店の話が印象に残りました。横浜へのお土産をよく買いに行かれたそうですが、お店ではどんどんと海産物を試食させてくれるので、実際に買ったものより食べさせてもらったものの方が多くて悪いことをしてしまったな、と思い出を話すお二人から、大槌の人たちへの愛情がひしひしと伝わってきました。
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ゲストを囲みながらお酒とおつまみで語らうコーナーでは、大槌から取り寄せた赤武酒造の浜娘姫、浜娘純米吟醸酒、いわて山ぶどう、浜千鳥の夢穂波本醸造といったお酒と、越田鮮魚店 (漁港) の「いかののし焼き」、ひょうたん島苫屋の三陸アキザケ冷燻製スライス、ど真ん中おおつちの大槌いかの塩辛三陸ベニマル、岩手県大槌産塩蔵わかめ、イカのくちっこ煮、真イカ沖漬け、しめ鯖、すき昆布とイカの煮付け、ひょうたん島さつま揚げ、鮭のリエットをおつまみに、皆で交流を深めました。(お酒やおつまみのお取り寄せ先については、報告をご覧ください)
大槌町は、2016年4月、新たに、大槌町民・大槌と関わりを持つ人・関心を持っている人の交流の場や大槌の魅力発信の場として「大槌町応援団OCHAN‘S」を開設しています。大槌応援団に登録していただくことにより、さまざまな情報交流サービスを活用することができます、ご参加ください ( http://ochans.town.otsuchi.iwate.jp/ )。

【児童・生徒の防災教育推進事業】 (防災教育事業 担当理事 石田)
いざという時、自分のいのちを自分で守れる子どもを育てること、すべての子どもが、生き抜く力をつけることを目的に、小中学校での防災教育に取り組んでいます。かながわボランタリー活動推進基金21協働事業負担金対象事業として採択され、県との協働事業として進めています。
昨年度から取り組み始めたこの事業は、防災教育の中でも「学校で取り組む防災教育」に焦点を当てて1年間実施し、「かながわ版防災教育プログラム」を作成しました。今年度はモデル校3校でプログラムを導入し、検証を行います。① 教科との連携、② 教材の導入、③ 訓練の工夫の手法の中から学校に合ったものを組み合わせ、学校独自の防災教育プログラムを提案しています。先生方との話し合いを重ねながら、負担なく続けられるプログラムを作ることを念頭に置き、取り組んでいます。
また、プログラムで紹介しているDIG (災害想像ゲーム) やHUG (避難所運営ゲーム) の講座開催依頼を、小学校・中学校・避難所運営委員会から5件受けました。メイン講師を石田理事が、そして昨年度の「防災教育ファシリテーター養成講座<初級編>」の修了生にサポートに入ってもらい、今年秋に開講する上級編に向けての研修の場にもなっています。各講座の様子はホームページをご覧ください 。
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2期目を迎える「防災教育ファシリテーター養成講座<初級編>」は、7月30日から開講されます。地域防災活動と学校の防災教育に必要な知識を学ぶ講座です。実際の地域防災計画や学校防災計画を学ぶとともに、避難所運営ゲーム (HUG) など防災教育の教材体験もします。修了者 (4回中3回以上受講) には修了証を交付します。学校や団体から依頼があった場合には、講師のサポートをお願いします。子どもの教育に興味のある方、教員を目指している学生、防災関係の資格をお持ちの方、学校の先生など、たくさんの参加をお待ちしております。単発受講も可能ですので、初めての方もお気軽にご参加ください。申込みや詳細はホームページをご覧ください。

【災害情報活用事業】 (担当理事 伊藤)
災害情報活用事業では、毎月第1日曜日の10:00~12:00に、神奈川県民センターで「ICT月1カフェ」を開催しています。今期は、県が事務局となって開催している「ICTを活用した災害ボランティア情報収集交換に関する研究会」でも活用しているDITSの使い方や、DITSのデータの活用方法などについてのご質問があり、少人数ながら楽しく学び合いました。
また、311ネットが属している「基金21情報交換会」のつながりで、広報に苦労している団体が多いことが分かり、「基金21情報交換会」のメンバー向けにFacebook講座を開催しました。
Facebookは無料で使用できます。また興味や関心の対象が似ている人に、より伝わりやすいため、非営利団体の広報には向いているツールです。
アカウントの取得から有料広告の使い方まで、初級・中級・上級の3クラスの講座 (資料代各回1,000円) を開催しました。全5回の講座に、のべ11人の参加者がありました。受講した方は、団体のFacebookページを開設し、どんどん発信を行ってくださっていて、講師としても感謝しています。また開講します。
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【産業復興支援事業】 (担当理事 米田)

13回目の復興キッチンは「~気仙沼のさかなと神奈川野菜のマリアージュ~」と題して、関内にあるカフェ食堂“80*80 (ハチマルハチマル)”を借り切り、6月4日 (土) に開催されました。スタート時よりプロのシェフをプロボノとして迎え開催してきた復興キッチンですが、今回は初めての企画として、お店に食材を持ち込んで調理をお願いするスタイルでの実施となりました。
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気仙沼の旬の食材、メカジキやホヤ、ホタテが、地元神奈川の野菜と共に80*80の大越シェフの手で調理され提供されると、「美味しい」との参加者の声があちこちのテーブルから続きました。また、今回のお酒として、熊本復興支援の意味を込めて球磨焼酎がセレクトされ、気仙沼の銘酒と共に参加者を満足させていました。
気仙沼の旬の食材や隠し味の熊本柚子胡椒はすべて取り寄せ可能です。参加者からは「すぐ取り寄せたい」「次回のグルメフェアで是非」という声が寄せられ、東北産業復興支援の根強さを感じました。
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5月21日 (日) には、熊本被災地支援の一環として、熊本食材の販売を311ネットの総会・事業説明会に合わせて実施しました。告知期間が短かったこともあり小規模な頒布会となりましたが、谷永理事が現地支援を行っている宇城市からも商品を取り寄せるなどして、多くの支援者の方々に購入いただくことができました。ご支援ありがとうございました。
熊本の食品は横浜にも定常的に流通しており比較的に入手しやすい状況であることや、被災地域の商品かそうではないのかが判別しにくいなど、東北被災地支援とは異なった面を感じることにもありました。東北被災地の産業復興支援の在り方を再度考える契機ともなりました。

※「NPO法人かながわ311ネットワーク」とは
NPO法人かながわ311ネットワークは、東日本大震災において、神奈川県と神奈川県社会福祉協議会との協働により「かながわ東日本大震災ボランティアステーション事業」を運営したボランティアが立ち上げた法人です。
東日本大震災での活動経験を生かかし、被災地の緊急支援活動、防災教育事業に取り組むとともに、東日本大震災の被災地復興支援活動を継続して行っています。
大きな災害が起こったときには、復興活動や避難所運営の支援、ボランティアの企画・実施も行います。
設立:2013年5月1日 NPO法人化:2013年10月1日 県指定NPO法人に認定:2015年12月28日  認定NPO法人申請中

【これまでの活動実績】
I 被災地の緊急支援活動
1. ボランティバスの実施
① 2014年7月山形県南陽市水害 (2回・のべ55名)
② 2015年9月~11月北関東水害 (6回・のべ251名)
2. 被災地の災害ボランティアセンターの支援等
① 2016年4月~ 熊本地震 (熊本県宇城市災害VCの立上げ・運営支援等)
II 防災教育事業
① ICTを活用した防災学習 (神奈川県かながわコミュニティカレッジ:2014年度・2015年度・2016年度)
② 児童・生徒の防災教育推進事業 (神奈川県教育委員会との協働事業:2015年度・2016年度)
III 東日本大震災復興支援事業
1. ボランティアバスの実施
① 気仙沼市等へのボランティアバス (2013年6月~、23台)
2. 復興応援イベント
① 復興キッチン:東北の食材やお酒を楽しむ会13回 (2013年7月~)
② グルメフェア:東北の加工食品の頒布会 3回 (2013年11月、2014年12月、2015年11月)
3. 勉強会
① 防潮堤勉強会2回 (2013年10月、2014年8月)
② かながわ発U-22 被災地行ってきました。 3回 (2013年11月、2014年6月、2014年11)
③ 東北未来カフェ (2016年7月第1回開催 全6回+フォーラム開催 )

◆本件に関するご取材等のお問い合わせ先:
かながわ災害救援ボランティア活動支援室
「NPO法人かながわ311ネットワーク」
045-312-1121内線4140(火・水・金13時~19時)
070-5577-5394 (月~金10時~18時)
info@kanagawa311.net
http://kanagawa311.net
PDFはこちらからご覧いただけます。

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