7月下旬に始まった防災教育ファシリテーター養成講座<初級編>の最終回は「HUG」でした。
このゲームは、静岡県が開発したものです。H(hinanzyo避難所)、U(unei運営)、G(gameゲーム)の頭文字を取ったもので、英語で「抱きしめる」という意味です。避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けたそうです。避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験します。
まずは「避難所」がどのような場所なのか等についての「〇×」ゲームが出題されました。
次は避難所の風景写真を、阪神淡路大震災時から順に、どのような違いがあるか見ました。
学校の敷地図や校舎配置図等を確認し、避難者カードやイベントカードの説明をしました。さらに避難所の条件設定、敷地図への記入の仕方、掲示板の利用方法などを説明し、過去の災害時の写真を見て被害イメージを共有しました。
『 1月17日(日)かながわ小学校(避難所) 現在時刻は午後4時から夜11時の間。午前11時に大地震発生。地震の規模はマグニチュード8.0、震源は東京都直下、震源の深さ15キロ、津波注意報発令中』
参加者は『地域住民』で『避難所を適切に運営していかねばならない』立場、等々今回のゲームの設定や注意事項を伝えました。
まずは15枚まで読み上げてもらい、班ごとに役割分担を決めました。今回の読み手は、昨年度の防災教育ファシリテーター養成講座修了生です。ゲーム開始と共に、容赦なくカードを読み上げて行きます。班ごとに次々対応していく様子を見ていると、それぞれに違いがありました。
掲示板の使い方も班ごとに違いがありました。
各班、役割分担もしっかりできていましたが、様々な避難者が押し寄せ、イベントも次々あったので白熱したやり取りも各所でみられました。全てのカードの配置や対応が済んだら終了で、班ごとに振り返りです。
・配置のルールと対処に困った点を班ごとにまとめる。
・他の班のを見て、自分の班との違いや工夫点をみつける。
全ての班で困ったことは「ペット」でした。昨年の鬼怒川水害の時も、熊本地震の時も取り上げられた話題の一つでもあります。横浜市は「災害時のペット対策」としてガイドラインが作られていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
体育館の通路の取り方が工夫された例。
養成講座<初級編>の最終回でしたので、修了証及び参加証をお渡しし記念撮影をしました。
27人中22人が修了しました。暑い時期に受講するのも大変だったかと思いますが、熱心な方揃いでした。今年も遠方からの参加者があり、北は新潟から西は大阪まで、全国各地から参加してくれました。
防災教育ファシリテーター養成講座<上級編>も日程が決まり、募集開始したところです。今年は台風被害も続いており、「災害大国日本」を改めて意識させられています。「いのちを守る防災教育」普及のために、是非昨年度・今年度の修了生の多くの方に受講していただきたいと考えています。
HUG(避難所運営ゲーム)の効果や必要物品などの詳細は、かながわ子ども防災情報ステーション をご覧ください。
■講座概要■
日時:2016年9月3日(土) 10:00~13:30
会場:かながわ県民活動サポートセンター 11階 講義室1
参加者:22名
講師:石田真実
サポート:防災教育ファシリテーター 小峰道晴 谷本恵子 西川哲 水口美惠子 矢嶋恵子
【エリア】鶴見、鎌倉、藤沢、葉山