6月14日、逗子市立小坪小学校4年生を対象とし「自分の命を守る防災教育~地図から地域を知ろう~(DIG)」を3,4時間目を使って行いました。小坪小学校は、最大の予測で津波が到達するかもしれないという地域です。漁港があり海が近く、急傾斜地が多いという特徴があります。子どもたちは「DIG」を通して自分たちの身の回りの危険について、どのように感じるでしょうか。
早めに学校に到着し、メイン講師+4名のサポーターで事前準備を行いました。地図は、逗子市役所に特別にご協力いただき、透明シート上に事前に大きな道路や川などを書き込んでおいたので、準備はスムーズでした。
チャイムが鳴り、これから何をするのだろう、と興味津々な様子で移動してきた子どもたち。12班に分かれ、最初は講師・石田のお話です。
「逗子でも大地震は起きるの?~逗子の災害の歴史~」
小坪海岸に押し寄せた津波の図、関東大震災時の逗子小学校などの被災写真から歴史を紐解きました。
逗子市の被害想定について説明すると、被災率の高さに子どもたちは絶句。阪神大震災時のコンビニカメラ映像と高層マンションの家具固定実験映像では、驚きの声があがりました。少しショッキングだったかもしれません。
「みんなの町はどんな町?~マップを使って地域を知る~」
いよいよ地図を使って作業開始です。まず、子どもたちの自宅の場所に青シールを貼ってもらいました。小学4年生で、どこまでできるのかとちょっと心配しましたが、すんなり貼ることができたようです。
続いて、避難に助けが必要な人がいる場所に赤シールを貼ってもらいました。小坪小学校にもシールが貼られました。理由を聞くと「低学年の子たちを助けなくちゃ!」と。優しい子どもたちがそろっています。
ハザードマップを見ながら津波の浸水域を白地図にも書いていきました。この作業に一番時間がかかったように思います。それでも子どもたちは班ごとに一生懸命取組んでくれました。
次にそれぞれ付箋に「危ない場所、危ない理由」を思いつくまま書いてもらいました。それを元に班ごとに発表の準備です。
「発表・ふりかえり」
班ごとに、順番に発表してもらいました。新たな危険個所に気づいた班もありました。最後に、自分の寝室を思い浮かべてもらい、危険がないかを考えてもらいました。最初に話した「落ちてこない」「倒れてこない」「移動しない」をおうちの人と話し合うように伝え、授業終了でした。小学校の授業での取組で、時間内に収まるか少々不安でしたが、担任の先生方のご協力もいただき、無事に終了しました。
使用した地図は各クラスで持ち帰り、担任の先生は「何かの時に全班分掲示します!」とおっしゃっていました。改めてそれぞれを見比べると新たな発見があるかもしれません。自分の命は自分で守るという意識を持つことが、周りも助けることになるのだという意識を少しでも持ってもらえたら幸いです。
~こぼれ話~
12枚の地図のうち、1枚だけ地図の印刷範囲が違う地図があり、準備ではそれを使っていたため、当日の準備で焦ったことは子どもたちには内緒です。
DIG(災害想像ゲーム)の効果や必要物品などの詳細は、かながわ子ども防災情報ステーション をご覧ください。
■講座概要■
日時:2016年6月14日(火) 10:45~12:15
会場:逗子市立小坪小学校
参加者:75名(小学4年生)
講師:石田真実
サポート:防災教育ファシリテーター 小峰道晴 谷本恵子 西川哲 矢嶋恵子
【エリア】鶴見、鎌倉、葉山