6月4日土曜日の夜、“気仙沼のさかなと神奈川野菜のマリアージュ”と題して復興キッチンVol.13が、横浜市中区関内にあるカフェ食堂80*80(ハチマル・ハチマル)で開催されました。
今回は初の試みとして、お店に東北の食材を持ち込み調理をお願いするというスタイルをとりました。80*80は、半径80㎞圏内の食材を80%以上使用するというコンセプトの地産地消のお店です。そちらに復興キッチンが宮城県気仙沼からの食材を持ち込み調理を依頼。
店長でシェフの大越さんが腕をふるい、神奈川野菜との相性もよい、工夫を凝らしたすてきなメニューとなりました。
【当日のメニュー】
・マンボウのパテ
・バチマグロのお刺身
・バチマグロのカルッパッチョ ゆず胡椒ドレッシング
・ムール貝とホヤとワカメのサラダ
・メカジキと彩り野菜の香草焼き
・ホタテと湘南トマトのスパゲッティ
・岩手産山葡萄のパンナコッタ
魚介類はすべて気仙沼「さかなの駅」から取り寄せました。担当者に、なんといってもメカジキが一番うまいからと、刺身にもメカジキを勧められましたが、焼き物とかぶってしまうので、今回はバチマグロを刺身とカルパッチョに使いました。サラダには名物のホヤをいれ、熊本のゆず胡椒をドレッシングに使うなど、新鮮な味わいが驚きでした。
野菜は、80*80さんのコンセプトどおり、すべて神奈川県内産のものです。
まずテーブルに並べられていたのは、マンボウ(なんと「さかなの駅」さんからのサービス!)のパテ、バチマグロの刺身、ゆず胡椒をドレッシングに使ったバチマグロのカルパッチョ。
続いてムール貝とホヤとわかめのサラダ。
メインはメカジキと彩り野菜の香草焼き。大越シェフも絶賛した身のしっかりしたメカジキの旨味を香草の香りが引き立てます。
美味しい料理をいただき、お酒もすすんだところで、当団体代表理事の伊藤朋子から、熊本支援活動についての報告がありました。支援の内容については、ホームページに詳しく報告されておりますので、こちらをご覧ください。
伊藤代表の話の間に、スパゲッティが茹で上がり、たっぷりとしたホタテの蒸し汁をソースに、フレッシュな湘南トマトをとりあわせたスパゲッティをいただきました。締めのデザートは岩手産山葡萄のパンナコッタでした。
あいだあいだに簡単なおつまみも出されました。ピリ辛ツナは、缶詰をあけただけでしたがピリ辛の味付けが絶妙で大好評でした。これはもとは気仙沼ホテルがつくったもので、地元でもたいへん人気があり、お土産用に購入されることも多いそうです。もう一品は乾燥茎わかめを戻して千切りのにんじんとたっぷりの生姜を加え、これも気仙沼の特産品「うま造り」という出汁醤油であえたもの。こちらもおいしくて、ほんとうに味付けはこれだけ?!と何人もの参加者からたずねられました。
取り寄せた魚介類はメカジキ、バチマグロなども含めて冷凍物は一切なく、気仙沼さかなの駅の担当者が水揚げ状況をみて見繕ってくださり、冷蔵便で届けられたものです。
お酒類は、今回は特別に熊本のお酒を取り寄せ、
・[熊本県]球磨焼酎 吟香鳥飼
・[熊本県]球磨焼酎 本吟六調子
・[宮城県]気仙沼角星 水鳥記〈特別純米〉
・[宮城県] 〃 ゆず酒(日本酒ベースのゆずが入ったリキュール)
を当団体が提供し、加えて、お店からワイン・ハイボール・カクテル・ソフトドリンクetcが500円のキャッシュオンで提供されました。
お開きの前に、シェフの大越さんからあいさつとお礼の言葉をいただきました。確かな腕前に加え、実直で誠実なお人柄が伺え、また機会があったら利用したいと思いました。
また米田理事より、当団体の今年度新事業である「東北未来カフェ」の説明がありました。震災後5年以上が経過し、人々の中から徐々に記憶が薄れていってしまうなか、震災を忘れず、東北の今を知ることで、神奈川から今何ができるかを考える「講演会&親睦会〈復興バル〉」です。こちらも内容については、ホームページに詳しく載っています。
復興キッチンも、早いものでVol.13。気仙沼を最初にテーマにしたのはVol.2、2013年9月のことでした。あのときと変わらず、美味しい東北の食材。サラダに使ったホヤやムール貝はとても新鮮で臭みもなく食べやすかったですし、スパゲッティのホタテはとても身がしっかりして歯ごたえがありました。また、今回はデザートの山葡萄のパンナコッタが、色味も目新しくきれいで、新鮮な彩りを添えていました。
ボランティアとして活動しているご縁で出会った人、復興キッチン初めての人、いろいろな人たちが居心地のいい空間で談笑し、美味しい料理とお酒、そして会話とともに時間を過ごす。そんな今までとは違った、新しい復興キッチンの形が見えたような気がします。どうぞ次回をお楽しみに。