【PR】「季刊311ネット」 2015年秋号

報道関係各位
2015年10月31日

横文字二段

「季刊311ネット」 2015年秋号

~ごあいさつ~
2015a019月の関東・東北豪雨災害では、死者負傷者が出る被害だけではなく、広域にわたる浸水により1万人以上の方に大きな被害が及びました。心からのお見舞いを申し上げます。1カ月半が経過した10月末になっても、依然として避難所での生活や在宅での避難生活を余儀なくされている方が大勢いらっしゃいます。かながわ311ネットワーク (以下311ネット) では、「私たちにできることを」との思いから発災後すぐに、ホームページに情報共有のページを作成してFacebookやTwitterも活用した情報の収集・発信を開始し、9月13日(日) には、共鳴いただいた方々との情報共有会を行いました。
今回は、現地での受入体制が早めに整った栃木県鹿沼市に9月22日から27日にかけてボランティアバスを運行しました (詳細は谷本理事の報告をご覧ください)。今後は復旧作業が依然として続く茨城県常総市方面に向けての支援を続けていきます。
災害の復旧支援をする側にとって、SNSでの情報共有、交流は大変有効であることをあらためて感じました。311ネットの講座で取り上げたデジタルマップのスキルも生かすことができました。発災からほぼ2週間の間に、不特定多数の参加者に広報して4台の大型バスを満席で運行できたのは、「公益財団法人車両競技公益資金記念財団」の資金助成が得られたことはもちろんですが、企画を素早く立ち上げ、募集に当たってSNSを有効活用できたことが大きく役立ったと感じています。
2015a022015a03左)植樹祭開会式
右)昨年植樹した木々
さて、311ネットが継続的に活動を応援している、宮城県気仙沼市階上地区を中心に活動している「NPO法人海ベの森をつくろう会」が、10月3日に植樹祭を行い、311ネットからは、理事2名が参加しました。「海ベに森を作ろう」と始まったこの団体の活動は、地域の復興に伴い、森となる木だけではなく、果樹を植え、広場を作り、コミュニティを再生していく事業へと発展しています。植樹祭は3回目を迎えましたが、当初の応援ボランティアを中心にしたものから、地元の人々中心のものへとシフトしてきています。地域コミュニティの再生、そして人々の暮らしが落ち着くことが、復興の形なのだと思います。
かさ上げ工事や復興住宅、新しい道路の建設などで落ち着かない気仙沼ですが、そのような中で地域コミュニティの再生に尽力している海ベの森をつくろう会を、311ネットは今後も応援していきます。

代表理事 伊藤 朋子

~各事業・プロジェクトの報告~

【緊急支援】 (担当理事 谷本)
2015a04「平成27年9月関東・東北豪雨」災害が発生し、栃木・茨城・宮城県内で被害が発生した地域があるとのことで、まずは情報収集から開始しました。9月13日 (土)に「今回の水害について情報交換しませんか?」とFacebook上で呼びかけを行い、急ではありましたが15人の方に集まっていただけました。茨城県常総市は被害も大きくニュースで多く取り上げられていましたが、ボランティアを受け入れるまでには時間がかかるだろう、ニュースであまり取り上げられていない地域の方が大変なのではないだろうか、という話になりました。そこで早速311ネットのHP上で「東日本豪雨災害ボランティア情報」ページを公開。9月15日 (火) には、災害等緊急対策助成事業を申請し、受理されました。続いて、神奈川県社会福祉協議会に栃木県内の市社協をご紹介いただき、9月17日 (木) に先遣隊を派遣し、3つの市社協を訪問。
2015a05「かながわ災害ボランティアバスチーム」「かながわ『福島』応援プロジェクト」と311ネットの3者協力体制で、9月中に4便のボランティアバスを鹿沼市へ運行することを決定し、全便、ほぼ満席状態で鹿沼市へ向かいました。鹿沼市災害ボランティアセンターは、多人数のボランティアを効率よく受入れてくださいました。1便はイチゴハウス内外の泥だしと学校の天然スケートリンク場の外の道路の側溝泥だし、2便は、畑の泥だし、3、4便は、1便とは別の場所のイチゴハウス内外の泥だし作業を行いました。
鹿沼市では10月13日 (火) 以降は、鹿沼市社会福祉協議会に「生活応援窓口」が開設され、ボランティア活動を週末に行う形に移行されボランティアが大人数必要な場所はなくなったとのことです。ボランティアバス運行に当たっては、事務や出発対応等、ボランティアでお手伝いくださった皆様、お忙しいところボランティアバスリーダーを引き受けてくださった皆様のおかげもあり、無事に運行ができました。鹿沼市の被災された皆様のお役に立てる活動ができ、本当によかったと思います。

【レディオ湘南の「防災ネットワーク」】 (担当理事 谷本)
2015a06今年度、湘南・藤沢のFM放送局レディオ湘南の「Pallete」という番組、木曜日の13時から「防災ネットワーク」というコーナーに企画協力しています。週によって「被災地とつなぐ」「防災メモ」「県内の防災・減災に取組んでいる団体紹介」といった内容で放送しています。レディオ湘南は、イザという時には情報発信の役目を担うことになるため、少しでも視聴者に関心をもってもらいたいという思いで企画に取り組んでいます。防災・減災への意識を高めていただくことはもちろん、被災地への関心も持ち続けていただきたい、という思いでこれからも協力をしていきます。

【コーディネート事業】 (担当理事 谷永)
2015a07311ネットでは、企業ボランティアの現地活動のコーディネートを初めて実施しました。今回は、横浜市にも拠点を持つグローバル企業「ジョンソンコントロールズ」から、東日本大震災復興支援活動を行うに当たってのコーディネート依頼をいただきました。同社は、以前から復興支援活動に取り組んでおり、前回は宮城県石巻市で活動されたそうです。数回にわたり、行き先や活動内容、行程などの打ち合わせを実施し、今回は福島県いわき市で行われている「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」に参加することになりました。このプロジェクトは、原発事故によって風評被害に苦しむ農家を支えるためにスタートされたものです。
10月2日 横浜駅を出発したバスの中では、ボランティアバス恒例の自己紹介を行い、今回参加のきっかけや、活動に対する想いなどを共有し合いました。さまざまな部署からの参加、また、グローバル企業なだけにいろいろな国の出身の方もいましたが、自己紹介で打ち解け、車内の29人には少しずつ一体感が出てきました。
2015a08翌3日 今回の活動場所であるいわき市の隣町の広野町に到着。現地での受け入れ団体「ザ・ピープル」のスタッフ渡部さんらから、コットンの摘み取り方の説明を受け、いざ、収穫開始。フワフワしたコットンは、白ではなく少し茶色いものでした。茶綿 (和綿) という古くから各地で栽培されてきた綿だそうです。化学肥料や農薬を一切使わずに栽培しているため、初年度はうまくいかなかったとのことですが、今では徐々に収穫量が増えているとのこと。4時間ほどの活動時間中に10キロ以上のコットンが収穫できました。参加者からは、「やりがいを感じた」「楽しかった」といった声が聞かれました。
2015a09活動終了後に受け入れ団体の方に周辺を案内いただきました。富岡町、楢葉町、大熊町に行き、街の現在の様子の説明を伺いながら回りました。富岡駅前ではバスを下車し、周辺を歩いて回りましたが、日中一時帰宅して復旧・修復に当たっている方もいる一方、まだほぼ震災当時のままの状態で残った家屋もあり、原発事故の影響が垣間見られました。こうした状況からも、このプロジェクトの活動の大切さをあらためて認識しました。今後も、311ネットでは、それぞれの企業に合わせた活動をできる限り提案し、コーディネートして、東日本大震災を忘れないための取り組みを続けていきたいと思います。

【防災教育事業】 (担当理事 石田)
平成27年度かながわボランタリー活動推進基金21協働事業負担金対象事業に採択された「児童・生徒の防災教育推進事業」では、すべての子どもが、いざという時に主体的に判断し行動できる力を身に付けることを目的に、小中学校での防災教育を推進しています。1年目は、小中学校での防災教育の実施状況を調査します。都市部・沿岸部・内陸部からモデル地域を抽出し、夏休みに学校を訪問してヒアリング調査を行いました。調査対象17校のヒアリング調査を調査ボランティアおよび311ネットスタッフのべ40人で実施し、学校現場の状況がよく分かりました。ご協力いただいた市教育委員会および小学校中学校の先生方に、この場を借りて御礼申し上げます。9月には調査の報告書を作成するため、まとめ作業を10回実施しました。タイトなスケジュールでしたが、調査ボランティアの皆さんの協力によりまとめることができました。現在最終チェックの真っ最中です。
8月と9月には「防災教育ファシリテーター養成講座<初級編>」を開催しました。
2015a10第1回 8月1日 (土) 9:30~13:00 防災教育体験その1 DIG(災害想像ゲーム):16人参加
第2回 8月23日 (日) 9:30~13:00 地域防災計画&学校防災計画:19人参加
第3回 9月12日 (土) 9:30~13:00 防災教育体験その2 逃げ地図:19人参加
第4回 9月20日 (日) 9:30~13:00 防災教育体験その3 HUG(避難所運営ゲーム):21人参加
番外編 9月19日 (土) 10:00~16:00 防災教育体験 イザ・カエルキャラバン見学:5人参加

2015a112015a12講師は第1回、第2回(地域防災計画)および第4回は減災アトリエの鈴木光さんに、第3回は日建設計のボランティア部
「逃げ地図プロジェクト」のみなさんに依頼し、第2回(学校防災計画)は311ネット理事の石田が務めました。26人の受講生の内17人が修了(4回中3回以上出席)することができました。意識の高い人材を育成することができたと思います。 ( http://kanagawa311.net/13015/ もご覧ください)
下半期は、調査ボランティアの皆さんと講座の受講生が協力して、神奈川の防災教育プログラムの作成に入ります。小中学校の先生の意見も伺いながら進めていきたいと思います。
10月28日 (水) には広域避難場所ランチMTG@横浜ビジネスパークを企画しています。「ビジネスパークが広域避難場所?」「避難したときには建物に入れるの?」など、一般的な公園ではない広域避難場所について考えます (詳細は https://www.facebook.com/events/1636633036625530/ をご覧ください)。

【講座事業】 (担当理事 伊藤)
2015a13今年度5~6月に開講したスマホでICT・情報発信入門編「TwitterとFacebook」に続き、7月18日(土)から4回講座 (1回3時間、受講料6000円) で、Googleマップを中心としたデジタルマップの講座を、かながわコミュニティカレッジ連携講座として実施しました (かながわコミュニティカレッジは、NPOやボランティアなど、地域課題の解決や活性化に向けた活動に取り組む人材を育成する「県民の学び場」です)。
受講者は、地域で防災に取り組んでいらっしゃる方を中心にした12人で、みっちりと講座を行いました。
2015a14

2015a151回目の発災時の情報コミュニケーションは、2014年度もお招きした京都大学防災科学研究所の畑山准教授。日本に住むということは、災害と正面から向き合うこと、ということをあらためてかみしめる講義内容でした。2回目の災害現場で活かすデジタルマップは、防災科学技術研究所の水井研究員。e-コミマップを中心に、最近の災害現場での活用についても伺いました。後半の2回は、311ネット代表理事の伊藤が講師となって、一番身近なGoogleマイマップを使ってデジタルマップを作る実習講座です。熱心な受講生に押されて、当初の予定より盛りだくさんの内容となりました。
ICTを活用した災害ボランティア情報収集交換に関する研究会では、8月30日(日) に厚木の防災センター他で行われた「ビッグレスキューかながわ (平成27年度神奈川県・厚木市合同総合防災訓練)」の会場などを舞台に、東海大学トコラボプロジェクトが開発したTwitter発信ツールDITSを使った情報収集、発信訓練を行いました。Twitterを防災に活かす活動は関心が高く、NHKニュースでも取り上げられました。今後も年度末に向けて、普及と訓練に向けた活動を続けていきます。

【産業復興支援事業】 (担当理事 米田)
2015a167月18日(土) の復興キッチンVol.11~メカカレーを作ろう~は、南区のフォーラム南太田にて気仙沼のソウルフードで有るメカジキを使った「メカカレー」に挑戦する料理教室形式として開催されました。「メカカレー」については、http://kanagawa311.net/11632/ をご覧下さい。調理から参加された方10人と復興キッチンスタッフが和気あいあいと調理したメカカレーに、カツオのたたきやタコのカルパッチョ、いわきの有機野菜のお料理など豊富なメニューが並び、試食した20人は大満足で、デザートの旬の福島の桃の美味しさには皆さんの顔がほころんでいました。食後には、いわきの有機野菜の販売も行われましたが、生産者さんのサービスで新鮮な野菜が大量に届き、嬉しい悲鳴が上がりました。参加者の皆さんも大満足となりました。
2015a17さて、復興キッチンでは初めての買い物バスツアーを企画し、九鬼ツーリスト主催で10月3日 (土) に福島県相馬市、南相馬市に向かいました。現地での買い物だけはなく、食の安全や新しい取り組みの紹介、現地復興状況の視察、語り部さんとの被災体験の共有など、盛りだくさんの内容で実施されました。詳細は http://kanagawa311.net/12900/ をご覧下さい。
JAそうまの取れたて野菜、報徳庵での鰺フライ定食、金賞受賞のコシヒカリの新米、センシン食品の海産加工品・・・と魅力たっぷりなものが並び、参加者の皆さんも持ち帰るのに一苦労されていました。
バスは、帰還準備区域の南相馬市小高地区を視察した後、国道6号線を南下。夕暮れの国道に無人の家々が並ぶ光景に、参加者一同考え込んでいました。http://kanagawa311.net/12945/ のコラムをぜひお読みください。
産業復興支援事業では、11月1日~3日に「東北グルメフェア」を実施します。魅力的な東北の食材を食べて、身近なところで被災地支援を行いませんか?皆様のご参加をお待ちしています。

~会員募集のお知らせ~
311ネットも走り出してから3年目になりました。現在の会員の区分は、以下のとおりです。
【正会員】 311ネットの組織運営に携わり、総会において議決権を持つ会員です。
【賛助会員】 主に会費によって311ネットを支援する会員です。年会費は個人3,000円、学生1,000円、団体10,000円を一口とし、何口でも構いません。
【ボランティア登録者】 各プロジェクトまたは事務局のお手伝い、ボランティアとして活動することで311ネットを支援する方々です。登録者としては、金銭的な支援はいただきません。
【資金支援者】 寄付で311ネットを支援する方々です。
【メルマガ会員】 311ネットの情報を受け取り、イベントへの参加や情報拡散によって311ネットを支援する方々です。
賛助会員の皆様もぜひボランティア登録をしていただき、各種のプロジェクトを支えていただきたいと思います。新たに「資金支援者」を設けるに当たり、「ストアーズ」というシステムを導入しました。詳しくは311ネットのホームページに記載していますが、随時受け付けていますので、ボランティア登録者、メルマガ会員の皆様にもお気持ち、お財布に余裕のあるときにご協力いただければと思っています。よろしくお願いいたします。

寄付のお願い
NPO法人かながわ311ネットワークは、小さな団体です。ぜひ皆様の寄付で私たちの活動を支えてください。
いただいたご寄付は、被災地や神奈川県内で行う支援活動に活用させていただきます。
ストアーズというシステムを利用しており、【クレジットカード払い】【コンビニ払い】【口座振り込み】の3つの方法でご寄付いただけます。
詳細は、http://kanagawa311.net/6363/ をご参照ください。

防災教育へのご寄付
横浜銀行 横浜駅前支店 普通6295481
名義:エヌピーオーホウジン カナガワサンイチイチネットワーク

団体全体へのご寄付
ゆうちょ銀行 記号:10260 番号:8375173  〇二八支店
普通8375173)名義:トクヒ)カナガワサンイチイチネットワーク

【お願い】 領収書がご入り用の方は、メール (info@kanagawa311.net) または電話070-5577-5394でお知らせいただきますようお願いいたします。また、ご寄付をいただいた皆様のご協力に感謝し、お名前や寄付金額をHPに掲載させていただきます。匿名をご希望の場合は、ご連絡ください。

※「NPO法人かながわ311ネットワーク」とは
2011年3月11日の東日本大震災から4年、今なお多くの人が仮設住宅での暮らしを余儀なくされ、復興を進めるにあたっては様々な問題が浮き彫りにされています。震災から2年間、神奈川県、神奈川県社会福祉協議会、神奈川災害ボランティアネットワークの協働事業として行われた「かながわ東日本大震災ボランティアステーション事業」で復興支援活動に携わってきた各チームのリーダー他の有志が集い、新たに「NPO法人 かながわ311ネットワーク」を起ち上げました。現在は定期的に被災地へボランティアバスを運行。現地で植樹活動を行っているNPOの支援の他、ホームページ作成支援など、多彩な支援活動を行っています。県内では、被災地東北の食材を使って、神奈川の料理人がつくる料理を堪能する「復興キッチン」やチャリティー販売会、若者を対象とした交流会、被災地の今を知る勉強会の開催など、地元神奈川で参加できるさまざまなイベントを行っています。また神奈川の地域防災力の向上のため、SNSやデジタルマップを使った防災勉強会の開催や講師の派遣なども行っています。設立:2013年5月1日 NPO法人化:2013年10月1日

◆本件に関するご取材等のお問い合わせ先:
かながわ災害救援ボランティア活動支援室
「NPO法人かながわ311ネットワーク」
045-312-1121内線4140(火・水・金13時~19時)
070-5577-5394 (月~金10時~18時)
info@kanagawa311.net
http://kanagawa311.net

PDFはこちらからご覧いただけます。

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