【PR】「季刊311ネット」 2015年冬号

報道関係各位
2015年2月2日

横文字二段
「季刊311ネット」 2015年冬号

~ごあいさつ~
image003年が明けて1ヶ月が経ちました。1月17日には、日本のボランティア元年といわれる阪神淡路大震災から20年目を迎えました。昨年末に、災害情報コミュニケーション研究会出席の折に、足を伸ばして神戸の震災記念館「人と防災未来センター(http://www.dri.ne.jp/wordpress/index.php)」を見学してきました。都市部住民の多い私たち神奈川県民にとっては、阪神淡路大震災の経験も活かすべき大事な経験です。

さて、東日本大震災から、もうすぐ丸4年となります。4年前のあの日、あなたはどこで何をしていましたか?誰にとっても鮮明に思い出せるあの日の記憶。助け合いと絆、という思いが日本中、世界中に広がったあのときを思い出してください。

東日本大震災の被災地では、かさ上げ工事が始まり、ダンプの往来があわただしくなっています。少しずつ再建の声も聞こえます。一方、日常とはいえない、仮設住宅や借り上げ仮設住宅などでの避難生活が続いている方々が、23万4千人以上(2014年12月復興庁調べ)もいらっしゃいます。皆さんが、日常の暮らしを回復できるまで、震災が終わったとはいえません。

震災から丸4年となる3月11日(水)には、かながわ県民センターで、震災を忘れないイベント「(仮題)311東日本大震災を忘れない・かながわ」が開催されます。私たちは、県や、多くの団体と協力してイベント運営を行います。あらためて東日本大震災に思いを馳せ、支援の気持ち、共に歩む気持ちを確認しませんか?被災地の写真展示の他、被災地の物産展、県内支援団体の活動紹介、講演会などを行う予定です。詳細は後日の御案内になりますが、ぜひご参加ください。

image004東日本大震災の支援活動を続ける中で、私たちは多くのことを学んできました。その学びを活かし、私たち、NPO法人かながわ311ネットワークでは、2015年度から、県と協働して、神奈川県内の児童・生徒の防災教育推進事業を開始する予定です。これは、かながわボランタリー活動推進基金21の協働事業負担金対象事業として行うものです。

大きな災害に見舞われたとき、神奈川の子どもたちが自分の身を自分で守ることができる、1人でも多くが災害から生き抜く、そのための地域事情に応じた実践的な防災教育プログラム開発、それを各学校で無理なく展開していく人材育成やシステム作りを行うこの事業は、初年度、実態調査、ニーズ調査からスタートします。多くの方にご支援ご協力をお願いすることになります。どうぞよろしくお願いいたします。

代表理事 伊藤 朋子

~各事業・プロジェクトの報告~

【災害復興支援事業】(担当理事 谷永)

image005災害復興支援事業では、東日本大震災復興支援活動として、10月~12月の間に、宮城県気仙沼市へボランティアバスを2便企画し、活動を行ってきました。

10月の便は、これまで活動協力を行ってきた現地のNPO法人「海べの森をつくろう会」が年1回開催するメインイベント、植樹祭に参加するものでした。今回は311ネットからは24名が参加し、全体で200名のボランティアが、気仙沼階上 (はしかみ)の地の震災前に神社があった場所に、再建を目指してタブノキやヤマモミジなどの植樹をしました。ここであらためておさらいです。なぜ「海べの森をつくろう会」が植樹を行っているのかについてです。階上地区も津波による甚大な被害を受けました。

image006その際、津波に流された人々がその地にあった樹木につかまって助かったということ、そして樹木が津波の被害を弱めるという効果が見込めること、こういった防災に役立つ観点から植樹を行っているのです。そして、植樹した木々を見ることによって、「震災を風化させない」という想いも込められているのです。

このような想いをつなぐために、全員で1本1本丁寧に植樹していきました。

今回もゲストの方々がいらしていたり、地元で獲れたサンマのつみれ汁が振る舞われたりして、参加者も充実した表情で作業を終えていました。

11月の活動では、10月に植えきれなかった苗木を、14名のボランティアで植樹しました。これまでの参加人数よりも少人数であったため、すべてを植樹しきれるか不安でしたが、なんとか無事、仕上げまで終えることができました。

活動終了後には、海べの森をつくろう会代表 菅原さんの説明に耳を傾けながら、全員で階上地区を少し歩きました。やはり、忘れてはならないのは、東日本大震災で犠牲になられた多くの方々のこと。杉ノ下の慰霊碑にお参りしました。慰霊碑に刻まれているお名前や年齢を見て、言葉もありませんでした。その後、津波で流された人々がつかまって助かったという木のそばまで行き、あらためてこの活動の将来性を考えました。

冬季は、海べの森をつくろう会の活動が減るため、ボランティアバスの運行をお休みします。2月~3月に、災害ボランティアに向けたスキルアップ講座を予定してますので、311ネットのHPでお知らせをチェックしてください。

【災害教育・防災教育事業】(担当理事 石田)

今回は、3つの活動をご紹介します。

image008まず、11月30日に、『かながわ発U-22被災地行ってきました。~2014秋~』を神奈川大学横浜キャンパスにて開催しました。3回目の開催となる今回は、企画運営の中心が大学生となり、発表団体も新しく増えました。活動報告をいただいた団体は、前回から引き続きの「NPO法人ハマトラ・横浜フットボールネットワーク」「神奈川大学ボランティア駅伝」「浅野高校サッカー部」そして今回初めての参加となった、「関東学院大学」「3.11つなぐっぺし」「学生団体ゆーとぴあ」の6団体となりました。

image007後半には参加者の皆さんと一緒に、「防災かるた」を作りました。各グループに発表者が加わり、あ行からわ行を分担し、字札と絵札を作成。先頭の文字が指定されていることで、言葉選びや文章作りに頭を抱えるグループ、絵の得意なメンバーがイラストや色付けを綺麗に仕上げるグループ、さまざまでしたが、約1時間ですべての札を完成させました。今回は神奈川大学のキャンパスをお借りしたことで学生の参加者も多く、若い世代のネットワークをさらに広げることができました。次回は5月または6月に開催する予定です。詳細は、Facebookページをご覧ください ( https://www.facebook.com/u22volunteer )。

11月23日には、「学生団体ゆーとぴあ」の初めてのイベント、「私が私をお連れしますin岩手」が、かながわ県民センター開催されました。学生団体ゆーとぴあは、311ネットの前身である「かながわ東日本大震災ボランティアステーション」が実施した高校生バスに参加してくれた当時の高校2年生が、2014年春に大学生となり、仲間を集めて作った団体で、岩手の魅力を発見するツアーの2015年夏実施を目指しています。今回のイベントでは、「岩手のオリジナルツアーを作ろう」と題して、「食」「震災」「珍スポット」の3グループに分かれ、ツアー内容を考えました。観光協会等が発行しているガイドブックやインターネットを利用し、また現地を訪れたことのある方からのおススメ情報を盛り込み、まさに「オリジナル」のツアーが完成しました。「震災について“ツアーを計画する”という視点から考えるのはこれまで経験がなかったので面白かった」など、参加者からも好評をいただきました。この夏の実施に向け、現在旅行会社等と調整中です。311ネットとしても、学生団体ゆーとぴあを応援していきます。

神奈川県立保健福祉大学ボランティアセンターの学生が、9月に被災地を訪れた際の活動報告会を12月10日に開催するということで、参加してきました。学生たちは、仮設住宅でお茶っこやレクリエーションを企画し、住民の方と交流してきました。その他、海べの森をつくろう会での作業や南三陸町での語り部、たまたま居合わせた他大学との交流など、充実した日々を過ごせたようです。先生方からは、「被災地で見てきたことは、被災地特有の課題なのだろうか。自分たちの周りで似たようなことが起こっていないだろうか」との課題提起があり、現地活動で感じたことを日常生活やこれからの生活に生かしてほしい、とご意見をいただきました。私たちも活動をコーディネートする上で、学生たちの日常の学校生活や背景等を考慮しながら行っていきたいと思います。

【災害情報活用事業】(担当理事 伊藤)

311ネットが活動拠点を置いているかながわ県民センターでは、NPOやボランティアなど、地域課題の解決や活性化に向けた活動に取り組む人材を育成する「県民の学び場」として、かながわコミュニティカレッジを開催しています。311ネットでは、県からの講座募集に応募し、初めて講座を開催しました。スマートホンやタブレットを利用して、基本料金だけでできることが、現在ものすごく増えています。今回の講座は、それらのツールを使って、市民活動に役に立つ技術を学んでほしい、また防災に生かせる技術やツールを使いこなしてほしい、という意図で企画しました。講座の内容は次のようなものです。

入門編~NPOのスマホ術はじめの一歩~ 受講者15名image009

1回目 10月 4日(土) SNSと無料ホームページを使った広報
2回目 10月18日(土) Googleと無料オンラインサービスを使った事務局運営
3回目 11月 1日(土) オンライン申込み・決済を使ったイベント運営

応用編~スマホで高める災害支援力、受援力~ 受講者10名image010

1回目 11月15日(土) SNSを使った情報収集と発信
2回目 11月29日(土) デジタルマップとホームページを使った情報発信
3回目 12月13日(土) 発災時の情報コミュニケーションの課題

特別講師:畑山満則准教授 (京都大学防災研究所)

応用編3回目では、京都大学防災研究所の畑山満則准教授をお招きし、災害情報活用の歴史について示唆に富むお話を聞くことができました。心に残ったのは、「安全は客観的だが、安心は主観的。災害時には、安全を確保し、安心を形成できないと、不安が講じて余計に厳しい状況となってしまう」という言葉でした。畑山先生、ありがとうございました。

コミュニティカレッジ講座は来年度も開催予定で、現在その準備を進めています。来年度は内容を絞り込み、じっくり実技に取り組めるようにしたいと思っています。

また、6月から参加し、検討を重ねているICT (情報通信技術) を活用した災害ボランティア情報収集交換に関する研究会は、3つの分科会に分かれて防災、減災に関する情報を整理したり、発災時の情報収集や、共有について検討したりしています。年度末には、今までの検討結果をまとめて発表する機会を持ちたいと思っています。

【産業復興支援事業】(担当理事 米田)

image011今回の復興キッチン Vol.8 ~秋の東北食材をフレンチで堪能~は、みなとみらいに 2014年 6 月にオープンしたシェアスペース「BUKATSUDO」で 11 月 9 日に開催されました。東京・五反田のフレンチ&イタリアンワインバー「Chez hiro(シェ・ヒロ)」のオーナーシェフで、復興キッチンのボランティアスタッフでもある高橋 弘和(たかはしひろかず)氏の監修のもと、岩手・宮城の秋の食材をふんだんに使った創作フレンチを皆で味わいました。当日は 37 名のお客様と 10 名のスタッフが参加。牡蠣やムール貝、秋刀魚等に加え、塩ホルモンと米崎リンゴのマリアージュや海の幸のリゾットなどの創作料理が並び、支援者からいただいたフランスワインや日本酒も合わせ、東北の美味しさを堪能しました。

image0122013 年に好評をいただいた贈答品フェアですが、今回は時期の関係でお持ち帰りを中心とした東北グルメフェアとしてリニューアルし、12 月 6 日、7 日の 2 日間、かながわ県民センター15 階で実施しました。150 名以上の皆様にご購入をいただき、前年以上の成果を挙げることができました。
image013当日は東北 3 県から 18 社、約 100 品が出展され、昨年からの人気商品に加えて、新規で SAVE TAKATA さんが開発した米崎りんご製品や、福島県相馬市の海産物、果物等が登場、ご来場の皆様の関心を引いていました。
購入アンケートでは、ご回答いただいた方全員が、今後の継続購入とイベント実施を希望されており、またご購入された商品についても 90%の方にご満足いただくことができました。一方、運営や告知、商品料等については多くのご意見ご要望を頂戴しました。この結果を次年度の企画に生かしていきたいと思っています。

第 9 回復興キッチンを 2 月 22 日(日)に実施します。また、かながわ県民センターで行われる 3.11 記念イベントでの支援商品の販売も予定しています。皆様のご来場をお待ちしています。

◆本件に関するご取材等のお問い合わせ先:
かながわ災害救援ボランティア活動支援室
「NPO法人かながわ311ネットワーク」
045-312-1121内線4140(火・水・金13時~19時)
070-5577-5394(月~金10時~19時)
info@kanagawa311.net
http://kanagawa311.net/

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