横浜市立平楽中学校は、南区の高台にある学校です。(所在地)
平楽中学校では、全学年・通年で『国際学習』に取り組み、今年度で15年目を迎えました。その一環として、5月10日(土)、1年生から3年生まで、全9クラスそれぞれに外部講師を招いてのワークショップが行われました。今年度で3回目となります。
NPO法人かながわ311ネットワークのメンバーが同校の卒業生というご縁で、この日、2年3組のワークショップを、賛助会員の鈴木光さん(右)と理事の石田真実(左)が担当しました。
鈴木光さんは消防庁防災図上訓練指導員です。
当日は、平楽中学校の学区の地図を使った、DIG(=災害想像ゲーム(Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム))を行いました。
はじめに、1995年の阪神淡路大震災そのものや、起震装置での再現実験の動画を見ましたが、中学2年生は2000年~2001年生まれ。阪神淡路は生まれる前、東日本大震災の時ですら小学5年生です。
大人の皆さんの目に焼き付いている、高速道路の倒壊シーンなども、子ども達はあまり知りません。
通常DIGは、大判の1枚の地図を使ってグループで相談しながら行うことが多いのですが、今回は鈴木さんのアイディアで、A4サイズの地図をクリアファイルにいれたものを1人1人が持って行いました。
自分たちの地区がどんなところか。学校にいるとき、家に居るとき、地震が起こったらどの道を通ってどう避難したらいいのか。シールやマジックを使い、クリアファイルの上から記入していきます。
地図も住宅地図の他、想定した大地震について震度を色分けした地図や、火災発生予想地図、崩落危険箇所地図、など、いろいろな地図が用意されています。
平楽中学校は高台にあるので津波の心配はあまりありませんが、川沿い海沿いの地区から避難してくる人が来たらどうする?家族と連絡をとるための方法を普段から決めている?などの講師からの質問にうーんと考え込むシーンも。A4サイズのワークショップの成果は、それぞれが家に持ち帰って、家族と共有しよう、という講師の言葉で2時間のワークショップは終わりました。
当日は講師の他に、地元消防署の出張所長、藤原大さんから、南区は横浜市の中で建物倒壊の危険性はワースト1位、火災被害の規模は第2位、と想定されているとの説明がありました。
「DIGをやって分かった通り、この地域は木造住宅密集地で細い道路が多い。消防自動車が入って行かれない場所がある。そういう時には、大人の人と協力してみんなの力を貸してほしい。」と、中学生に即戦力として期待していることを伝えました。
岩手県洋野町津波浸水マップに記されている下記の言葉は、東日本大震災を生き抜いた人々の言葉です。それぞれが心に刻んで欲しいものです。
最後に、それぞれが作ったマイマップを持って、全員で記念撮影をしました。