【PR】「季刊311ネット」 2014年春号

~2年目を迎えて~

NPO法人かながわ311ネットワーク (以下311ネット) は、昨年5月1日に設立してほぼ1年、10月1日にNPO法人として登記して半年が過ぎました。多くの方のご支援をいただいてここまで来ました。感謝申しあげます。

スイスの再保険会社(Swiss Re)が2013年にまとめた報告書「Mind the risk」によれば、東京・横浜地区が、世界の616の都市圏中、「自然災害のリスクが最も高い都市圏」と評価されています。上位10位には、フィリピンのマニラ、中国の珠江デルタ地区 (広州、香港、マカオを結ぶ三角地帯)、日本の大阪・神戸地区、インドネシアのジャカルタ、日本の名古屋、インド西ベンガル州のコルカタ、中国の上海、アメリカのロサンゼルス、イランのテヘランが、並んでいます。日本の三大都市圏がすべて自然災害のリスクが高い10位内に入っています。日本、アジアの都市圏は大きな自然災害リスクを抱えています。災害が常に「自分事」であることを、あらためて思い知らされる結果です。

現在被災地で立ち上がろうとしている人々は、皆さん口々に、「災害に真剣に備えてほしい、この惨事から学んでほしい」とおっしゃっています。被災地の復興を支援することを通じ、私たちは多くのことを学ばせていただいています。

311を忘れない 復興の道を共に歩みたい
未曾有の災害を教訓に学び、かながわの明日を守りたい

かながわと日本の明日のために、子どもたちの未来のために、皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

まだまだ思うような結果が出ているわけではなく、皆さまのご支援にも十分にはお応えできていませんが、東日本大震災の復興までの長い道のり、私たちも被災地に学びながら、今年度も進んでいきます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
代表理事 伊藤 朋子

~会員継続のお願いと新規会員募集のお知らせ~
311ネットに引き続きのご支援をお願いするとともに、新規会員を募集しています。

311ネットも走り出してから1年弱、試行錯誤が続いていますが、今年度から会員の種別を一部改定します。311ネット誕生時に会員になっていただいた方々には、引き続きご支援をいただくとともに、私たちの活動に関心のある方々の積極的な参加をお願いします。
311ネットは初年度、正会員/賛助会員/メルマガ会員の3部制でスタートしました。今年度はこの3種に加え、新たに「ボランティア登録者」「資金支援者」の区分を設けます。それぞれの位置付け、役割は次の通りです。
正会員 :311ネットの組織運営に携わり、総会において議決権を持つ会員です。
賛助会員 :主に会費によって311ネットを支援する会員です。年会費は個人3,000円、学生1,000円、団体10,000円を一口とし、何口でも構いません。
ボランティア登録者:各プロジェクトまたは事務局のお手伝い、ボランティアとして活動することで311ネットを支援する方々です。登録者としては、金銭的な支援はいただきません。
資金支援者 :寄付で311ネットを支援する方々です。
メルマガ会員 :311ネットの情報を受け取り、イベントへの参加や情報拡散によって311ネットを支援する方々です。

賛助会員の皆様もぜひボランティア登録をしていただき、各種のプロジェクトを支えていただきたいと思います。
新たに「資金支援者」を設けるに当たり、「ストアーズ」というシステムを導入しました。詳しくは311ネットのホームページに記載していますが、随時受け付けていますので、ボランティア登録者、メルマガ会員の皆様にもお気持ち、お財布に余裕のあるときにご協力いただければと思っています。よろしくお願いいたします。

~各事業・プロジェクトの報告~
【災害復興支援事業】 (担当理事 谷永)

苗木の植え替作業
苗木の植え替作業

週末を利用したボランティアバスを月1回のペースで運行しています。冬季の活動で一番気になるのが『天候』です。横浜より降雪量が多い地域に行くということ、さらに東北道が雪のために通行止めになることもしばしばあるからです。主な活動先としている宮城県気仙沼市階上地区の『NPO法人海べの森をつくろう会』では、冬場の活動は少なくなるため、2月は『(一社)気仙沼復興協会』とワカメ養殖を営む漁師さんの支援を計画しました。関東地方が2度目の大雪に見舞われた週にボランティアバスの出発を予定していましたが、旅行会社と協力し情報収集を行い、事前に催行の見合わせを決定しました。報道にもあった通り、関東甲信地方は大雪により交通機関に大きな影響が出ましたので、「もしも」を考えた正しい選択に寄与できたのではないかと思っています。

漂着物の目立つ海岸を清掃
漂着物の目立つ海岸を清掃

1月は、海べの森をつくろう会がビニールハウスで植樹する予定の苗木の株分けや、苗ポットへの苗木の移し変え、といった活動を行いました。
3月には、小さくなった苗ポットから大きめのポットへ移し変える活動を行いました。
また、別の班は気仙沼復興協会で活動を行い、松岩地区にある千岩田海岸の清掃活動を行いました。津波によって海へ流された多くの漂着物が、まだまだ時化ると打ち上げられたりしている状態で、他団体も参加し60名近くの協働により多くの漂着物を回収しました。

 静岡県主催の 図上 訓練に参加
静岡県主催の 図上 訓練に参加

また、静岡県で毎年3月に開催されている『静岡県内外の災害ボランティアによる救援活動のための図上訓練(第9回)』へ参加し、緊急支援のあり方や近隣市町との連携の大切さなどについて学んできました。その経験を活かし、支援可能な状況が整った場合には、今後、水害等の災害発生時に近隣市町への緊急支援を行っていきます。

新年度は、海べの森をつくろう会や気仙沼復興協会など、気仙沼市での復興支援に継続して取り組み、また、災害支援ボランティアに役立つ講座の開設や、連携の仕組みづくりを計画しています。皆さまのご参加をお待ちしています。

【災害教育・防災教育事業】 (担当理事 石田)

「のぞいてみよう ふくしまを」で福島学ぶ ふくしまを」で福島学ぶ 高校生、大学たち
「のぞいてみよう ふくしまを」で福島学ぶ ふくしまを」で福島学ぶ 高校生、大学たち

大学生が企画する福島勉強会『のぞいてみよう ふくしまを』を3月2日に実施しました。昨年から始めたこの企画も3回目となり、高校生、大学生の参加が増えてきました。アンケートでは「参加しやすい時期だった」「学校で福島関係のサークルに入ったけど何も知らないので勉強したくて」などの声があり、被災地や福島に関心を持っている若者の存在を感じることができました。
3月26日~29日には浅野高校サッカー部の東北合宿のコーディネートをさせていただきました。昨年に続き2度目の実施です。岩手県陸前高田市立第一中学校と岩手県立高田高校との交流試合をはじめ、大船渡津波伝承館館長による講話、陸前高田市でのボランティア活動などの活動を現地で行いました。4月19日に

県立 川崎高校で行った 講演の様子 講演の様子
県立 川崎高校で行った 講演の様子 講演の様子

浅野高校でボランティア活動報告会が開催されました。高校生という多感な時期に、
定期的に被災地を訪れる活動を続けてくださることに感謝しつつ、こういった機会をより多くの若者に提供していきたいと考えています。学校関係者の皆さま、行政のご担当者の方、どうぞお気軽にご相談ください。
3月11日には神奈川県立川崎高校定時制の生徒さん向けに、被災地の現状や高校生にできることを講演させていただきました。今年9月に修学旅行で東北を訪問するそうで、熱心に話を聞いている生徒さんが多かったです。

新年度の予定は、『のぞいてみよう ふくしまを』を年4回 (初回は6月ごろを予定)、県内で支援活動をしている高校生・大学生の活動報告会『かながわ発U-22被災地行ってきました。』を年2回 (6月・11月予定) 開催いたします。一緒に活動してくれる高校生、大学生を募集しています。何かしたいと思っている学生の皆さん、一歩踏み出してみませんか?また、各種勉強会の開催や防災に関する講演、修学旅行や合宿などでの被災地での活動のコーディネートも承っておりますので、お気軽にご相談ください。

【災害情報活用事業】 (担当理事 伊藤)

大型地図の上で、安全確認方法を確かめる

1月12日(日)、みなとみらい地区の赤レンガ倉庫で開催された横浜消防出初式のワークショップ「みんなでつくるヨコハマ防災マップワークショップ」に参加しました。
このワークショップは、横浜災害ボランティアネットワーク会議や、(株)野毛印刷、(株)TVKコミュニケーションズ、NPO法人かながわ311ネットワークの協力で行われました。(株)野毛印刷の大型プリンタで印刷した、横浜市の18区を6ブロックに分けた地図、南関東地区の大型地図を広げ、参加者それぞれが、自宅周辺の危険箇所や避難場所などを確認しよう、という試みです。
私たちは、マップ解説とともに、当日の会場の様子のTwitter報道を担当しました。

ツイッター ツイッター ツイッター での実況報道

このワークショップには、親子連れを中心に約3,000組の家族が参加し、あらためて自宅周辺の防災状況、家族間の安全確認方法を確かめ合っていました。
日常的な活動として、NPO法人海ベの森をつくろう会や敬聖会ミサンガプロジェクトのホームページ作成やメンテナンスなどの情報発信の協力をしています。
ホームページお助け隊は、被災地の団体や商店の情報発信、Jimdoを使ったホームページの作成支援を各隊員が行っています。隊員同士は、Facebookのグループ上でアイディアを出し合ったり、時々集まって情報交換を行ったりしています。

災害情報活用事業では、災害時に役に立つような情報ネットワークを作ること、いざというとき助け合い、減災に役立つスキルを身につけることを目標の1つにしています。2014年度下期には、かながわコミュニティカレッジ*のプログラムとして、情報発信、情報収集のスキルアップにつながる講座を開講する予定です。参加してよかった、役に立った、という実感の持てる講座の実現に向け準備を進めていきます。そして、県域全体のネットワークを受講者によって作っていきたいと考えています。
*かながわコミュニティカレッジ:NPOやボランティアなど、地域課題の解決や活性化に向けた活動に取り組む人材を育成する「県民の学び場」です。主にかながわ県民センターを会場に、毎年30以上のさまざまなテーマで講座を開講しています。

【産業復興支援事業】 (担当理事 米田)

産業復興支援事業では、1月から3月の間、2度の復興キッチン開催を中心に活動を行いました。
1月23日の第4回復興キッチンは「復興バル」と銘打ち、東北地方の日本酒9種類 (岩手県、宮城県、福島県から各3種類) の飲み比べを関内のさくらWORKSで行いました。ご参加いただいた27名の皆さんは、美味しい日本酒を呑みつつも、被災地からのメッセージに耳を傾け、復興支援への思いを新たにしました。

復興バルで東北の名酒を味わった参加者
東北からのメッセージ に耳を傾ける に耳を傾ける

3月23日には、今期最後の第5回復興キッチンを関内のDELI CAFÉ FORESTというカフェで、店舗を借り切って、立食スタイルで実施しました。「今シーズン最後の牡蠣を食べ尽くそう」というテーマで、岩手県陸前高田市広田湾から取り寄せた牡蠣尽くしの満腹メニュー、26名の参加者の方にも満足いただけました。広田湾漁港にはボランティアバスで復興支援に訪れたことがある、という方も多く参加されており、当時の思い出と復興の歩みを感じることができました。

「牡蠣を食べ尽くす」第5回復興キッチン

また、3.11関連のイベント参加として、3月8、9日の北鎌倉建長寺での「復興応援マルシェ 東北げんき市場 in 鎌倉 建長寺」に、3月11日県民活動サポートセンターでの「WEフェスタ東北復興支援バザール」にも参加し、被災地の物産の販売や組織のPR、募金集め等を行いました。

新年度の産業復興支援事業では、好評の復興キッチンの定期開催 (2カ月に一度を目処) に加え、被災地の食材をかながわの皆さまの食卓へお届けする事業を計画
しています。具体化に向けて鋭意準備を進めておりますのでご期待いただくとともに、被災地食材の購入に興味のある方、産業復興支援に関心のある方は、是非ともサポーター、スタッフとしてご参画いただければと思っています。皆さまのご協力をよろしくお願いします。

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