10月19日(土)、気仙沼市波路上内沼にて、海べの森をつくろう会主催 「第2回 海べの森の植樹祭」が開催されました。私はかながわ311ネットワークの「気仙沼 海べの森7号」に乗車し、参加してきました。その時の様子を報告させていただきます。
植樹祭は観光地で有名な岩井崎に近い気仙沼市波路上地区で行われました。この場所は震災前は魚の冷蔵庫があり、それが津波で流されてしまったそうで、今でも臭いが残っていました。
植樹される苗木は、イオン株式会社や ホーマック株式会社等の寄付でタブノキ、ヤマモミジ、アカガシ、ヤブツバキなど全部で3460本でした。
沢山の種類を植えるのにはちゃんと理由があり、お互いに競争しあうことで強い木に育っていくのだそうです。そして海べの森をつくろう会代表の菅原さんは、「ただ植えるだけではなく、木の実や果実が育つ木を植えたい。そうすることで季節ごとに人々が収穫を兼ねて遊びに来たり、鳥達が集まる賑やかな場所になりますからね」と言われていました。想像するだけでワクワクしますね。
植樹場所は小高い丘の斜面にありました。参加した300人以上のボランティアや近隣の人々が9区画に分けられた斜面に9グループにわかれて植樹を行いました。
上の方には大きな木があり、その奥に住居がありました。まわりの殆どの家屋は津波で流されてしまいましたが、この家は木に守られ残ったのだそうです(植樹祭の最初に、地震が発生した時の避難場所を説明されたのですが、いくつかの避難場所の中にこの丘の上もありました)。 菅原さんによると、「昔はどの家も津波から家を守るために木を植えました。でも月日がたつうちに邪魔だからと伐採したり売ったりして殆どの家から木は消えました」とのことでした。どうして木があるのか、それを植えたのか、植えた当時の理由を知っていないと残していくのは難しいのかもしれないと思いました。
さて、いよいよ植樹が始まりました。 各グループごとに地元の人がリーダーとなって、同じ苗木を並べて植えてはいけない、間隔は30cm位・・などなど、植える場所や苗木の種類などを指示していきました。
斜面は思いのほか急で、落ちないようにバランスを取りながらの作業でした。地元のお母さん達も下から苗木を手渡ししたり斜面に登ってボランティア達のサポートをしてくれました。とにかく地元の人達は元気でパワーがあり、一緒に作業していても本当に楽しかったです!
全ての苗木を植え終わり、最後に藁を敷き詰めて完了です。藁は霜、乾燥、雑草から苗木を守ります。みんなで一列に並んでバケツリレーならぬ藁リレーであっという間に上まで運び上げました。
そして藁1束を半分に開いて苗木をはさみ、それらを山の斜面に対して平行に重なるように、地面ができるだけ隠れるように置いていきました。藁はすべりやすく、しかも苗木が見えにくくなるため、足元に気を付けながらの作業になりました。
敷き詰めが終わったら斜面の上下左右にあらかじめさしておいた棒に縄をジグザグに巻きつけ、藁が飛んでしまわないように押さえます2回巻いてわっかを作ってひねってかける・・・最初はぎこちなかった作業も地元の人に教えてもらいながらできました。
3460本の苗木はお昼を少し過ぎた頃に全部植え終わりました。作業前は土だけの斜面だった場所にかわいらしい苗木が所狭しと並んでいて、達成感でみんなで喜びあいました。集合写真を撮ったあと、私たちかながわ311ネットワークはテントの撤去なども手伝い植樹祭のお手伝いを無事終えました。
今回植えた苗木の全てが順調に育つわけではないと思いますが、少しでも多く育ってほしいと心から願います。そして、植樹は植えただけで終わりではありません。若木というのはとても弱く、雑草に栄養をすいとられて簡単に枯れてしまうのだそうです。ですから私たちのお手伝いはこれで終わりではなく、今後も草刈りのためにどんどんお手伝いに行きたいと思いました。
編集チーム 名輪 みゆき