【報告】8/3 気仙沼出張報告会

7月31日から8月1日にかけて気仙沼に出張で行ってきました。その際の報告会を8月3日に開きました。
まず、気仙沼の現状という観点から「防潮堤の計画」についての報告をしました。
続いて、継続支援をしていく「海べの森をつくろう会」のコンセプトについてと私たちの活動についてです。

防潮堤計画は国が示したものです。海だけではなく河岸にも造る計画があります。住民の声は届いているのでしょうか?
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今までのものとは違って高さだけでなく、幅に驚きます。
今回、復興応援の活動に行く波路上(はじかみ)からほど近い大谷(おおや)海岸では、高さ9.8mの防潮堤計画となっています。土台幅は45mとのこと。砂浜が消えてしまいます。
大谷海岸のすぐそばには、震災前JR東日本・気仙沼線の大谷海岸駅があり、「日本一海水浴場に近い駅」として知られていました。ここから松林とともに美しい海岸線がお伊勢浜に向かって形成されていました。お伊勢浜は、白砂青松の海水浴場で、環境省の「快水浴場百選」にも選ばれたところです。
現在の大谷海岸は、地盤沈下のため満潮時に近くを通っている幹線道路が冠水しないようにと海岸線に沿って高さ2mくらいまで土嚢が積まれています。土嚢等が積まれていない海岸では、砂浜や生き物が戻ってき始めています。自然の力のすごさを改めて感じます。人間の手を加えることが、本当に良いことなのでしょうか?
防潮堤を造る場所によっては、山が3つもできてしまいます。海から一つ目の山が防潮堤、二つ目の山が国道、三つ目の山が三陸道です。その狭間には、人は住めません。
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また河川にも防潮堤の計画があります。自然の河岸とコンクリートの河岸を上がる津波の速度と威力は、コンクリートの方がどちらの威力も増幅されるそうです。
コンクリートで固めてしまうと、より高台、内地まで波が上がってきてしまう心配もあるのではないか。
「海べの森をつくろう会」ですが、今回の震災で津波に流されながらも木にしがみつき、助かった人がいたというところから自然を守るとこが命を守ることにつながると思い、木を植えたい、また亡くなった方たちへの鎮魂の意味も込めて森を再生したいと活動を始めました。

今回、理事長の菅原さんにお話を伺ってきました。
イオングループが「ふるさとの森づくり」ということでバックアップしています。
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私たちは、「海べの森をつくろう会」の活動を支援することで今まで以上に地元の人たちに寄り添いたい、また、支援を続けることで学ばせてもらいたいという思いで、「海べの森便」を企画しました。

育苗ハウスでは、松はもちろんその他の苗木も育っていました。10月には「植樹祭」も計画されているそうです。お伊勢浜海岸近くの名もない小さな島に松を植えたいという希望も伺いました。
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あまりにも被害が甚大だったため、復興にはまだまだ時間がかかります。それでも少しずつ元気を取り戻しています。おいしいものもたくさんある気仙沼です。気仙沼を好きになってほしい、よりたくさんの若い世代に、知ってほしい、見てほしいということから、今回からは中学生以上の参加を可としました(条件として中学生は保護者同伴、高校生単独参加は保護者の同意書が必要)。
様々な問題もありますが、地元の方に寄り添い、末永く応援していけるような活動をしていきたいと、改めて感じた気仙沼訪問でした。

(文責:災害・復興支援事業担当 谷本恵子)
下の写真は気仙沼名物のメカハーモニカ(メカジキの背びれの根元の部分の煮付け)です。

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