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11月17日、かながわ県民センター11階講義室において、「かながわ発U-22被災地行ってきました」が開催された。この2年半の間、ボランティアとして被災地に向かった若者は数知れない。その経験を今一度省み、発表や情報交換、ディスカッションの場をつくることが目的で、横浜近郊在住・在学の若者たち5団体が発表を行った。グループに分かれてのディスカッションには、30名ほどの参加者の中から大人も加わり、今後の支援活動についてじっくりと話し合った。

《NPO法人ハマトラ》発表者:佐々木珠美さん(大学4年)、大貫みずきさん(大学4年)、和田淳平くん(大学3年)、村本優成くん(大学2年)

ハマトラの発表者の皆さん

ハマトラの発表者の佐々木さん、大貫さん、和田くん、村本くん

ハマトラはプロサッカークラブ横浜F・マリノスのサポーター有志によるNPO。クラブ、地域、企業の連携を図り、マリノスのサポートの他、地域貢献による地元活性化を通じてサッカー文化を根付かせ発展させる活動を続けている。

そんな彼らが、サッカーの遠征などでつながりのある被災地に「マリノスサポーターとしてできること」として実行したのが、フットサル教室による被災地の子供たちとの交流だ。岩手県陸前高田市横田地区で行われたこの活動では、同時に仮設住宅で暮らす皆さんとジンギスカン鍋を囲んだり、子供たちと写真を撮って缶バッジにしたりとサッカー関連以外での交流もある。2011年11月、2012年5月、11月、2013年6月と回数を重ね、この12月もフットサルとお茶っこを予定している。

ハマトラの発表者の皆さん

サッカークラブのサポーターらしく、老若男女分け隔てなく一丸となって動けるというハマトラのメンバーだが、その中で学生は学生なりの強みや役割を感じ取って行動している。発表でも「子どもたちがやりたいと言った遊びに全力で応えることができる」、「金銭面でできないことがあっても力になりたいという気持ちが大切」、「自分たちには現地で見たもの、感じたことを伝える責任がある」、「SNSや日頃の会話で、活動について発言し、多くの若い学生の参加を増やすことが必要」などのボランティア参加者の感想が紹介された。

《神奈川大学KU東北ボランティア駅伝》発表者:鈴木寛太くん(経営学部国際経営学科4年)

神奈川大学のプレゼンター

神奈川大学の鈴木くん

神奈川大学は学生の被災地でのボランティア活動を宿泊、旅費や交通手段(バス)確保などで全面的にバックアップしている。箱根駅伝の常連である同大学の伝統にちなんだ「駅伝」の名のとおり、支援活動は学生から学生へとつながっていき、これまで2,500人が東北へ足を運んだ。活動内容としては、子どもと一緒に遊ぶ「子ども支援」とがれき撤去などの「ハードボランティア」があり、発­表では、岩手県大槌町安渡小学校で遠野まごころネットと共同で行ったサンタ姿でのクリスマスイベントと、陸前高田市の被災したトレーニングセンターでのがれき撤去作業が紹介された。

これまで6回この「駅伝」に参加している発表者は、被災地の方々から「将来自分の子どもと遊びに来て震災やボランティアのことを話して欲しい」と言われ、この経験を風化させずに次世代へと伝えていくことが大事だと理解したという。

《浅野高校サッカー部》発表者:大竹涼平くん(高校2年)、吉川智也くん(高校1年)

浅野高校の

浅野高校の大竹くん、吉川くん

浅野高校サッカー部は、今年3月25日から29日、春休みを使ってボランティア活動を行った。行き先は宮城県気仙沼市と岩手県陸前高田市。月曜日夜行バスで出発し、金曜日の早朝に帰着するというタイトな日程で、日中は土取り(仮設住宅で花壇や畑などの園芸に使用)、側溝の泥出しといった地道な作業に取り組み、宿舎では被災者の高校生から罹災経験を聴いた。さらにサッカーの交流試合(陸前高田市高田高校、高田第一中学校と)があり、自分たちの能力を発揮できる活動で貢献した。交流試合を行った長部小学校仮設グラウンドは、仮設住宅の敷地となった学校の校庭を別の形で子どもたちに提供する試みで、宮城県出身の元日本代表加藤久氏、JFAなどのバックアップにより全国から芝張りボランティアが集まりサッカー用、野球用、1面ずつ完成させたもの。震災で家族を失うなど困難を抱えた生徒たちとの貴重な交流体験となったという。

ボランティアの意味を深く自覚して活動している様子がうかがわれ、発表では「震災の現実を知る」、「被災した方々の気持ちを知る(すべてを知ることはできなくても)」、「何ができるのかを考える(小さくとも何かはできるはず)」という言葉がスライドで掲げられていた。

《帝京大学東北班》発表者:藤原裕士くん(経済学部観光経営学科3年)

帝京大学の鈴木くん

帝京大学の藤原くん

帝京大学の観光経営学を学ぶ学生たちが福島県における震災復興を観光業の面から調査研究している。「観光資源は復活しつつあるが、客足が滞っている」現状を鑑み、PR活動や情報発信に着目、有効と考えられる観光・防災政策について研究成果を反映した提案を行っていきたいという。発表では、一般旅行より動員数や消費額の大きいMICE(Meeting、Incentive tour、Convention、Exhibitionなどのビジネス旅行)誘致、障がい者と介助者、健常者のリラクゼーションの場として近年注目されているスヌーズレン施設の設置、ユビキタスネットワークを援用した東北3県連携の防災対策などが例として提示された。提案の根拠としては、現在の被災地や他県の調査だけでなく、雲仙普賢岳噴火やスマトラ地震など過去の大災害に学ぶことも重要だと彼らは考えている。

《Go for it!》発表者:野口岳くん(高校1年)、田島梨央さん(中学3年)

Go for it!の

Go for it!の野口くん

Go for it! は逗子市在住または在学の中高生による被災地支援ボランティア活動で、約40名が今年の9月13日から15日にかけて陸前高田を訪れた。活動はこども支援班参加者による現地の小学生たちとの交流イベント「つないでフェスティバル」と、労力支援班参加者(半数は女の子だったという)による高田町の道路の側溝泥出し作業。さらに、地元の語り部さんから被災体験を共有していただいた。泥出し作業では、被災前の写真が見つかり、かつての高田の風景と現状との落差を痛感させられたという。

この他、今後も台風18号被害のため募金活動などの他、さまざまなイベント企画にも取り組んでいく方針が示された。

audience

《グループでディスカッション》

「どうやって多くの人に被災地のことを伝えていけるのか自ら考え行動したい」という発言が浅野高校の発表にあった。おそらく同じように感じた若者たちが、この日この会場に集まったということだ。大人の参加者を交えてのディスカッションは5、6人のグループごとに分かれて行われたが、その際、「すぐ次にしたいこと」、「3年後」、「5年後」、「これからずっと」という段階を踏んだビジョン、展望を各自、各グループが考え、最後に全体で共有した。

groups1

groups2

「すぐ次にしたいこと」は、当然だが、このイベントについて友だちや家族に話すこと、SNSで情報発信するという答えで皆一致した。また、「これからずっと」やりたいことについても、「(被災地を)忘れないこと」という最重要事項が筆頭に挙がった。3年後、5年後というスパンになると、年代や職業によって答えは異なり、時間や行動の選択肢の多い若者の方が具体的なイメージやアイデアをたくさん持っていることが分かった。

共有された展望やアイデアの例:

  • 次の災害に備える
  • 防災にはインフラが壊れても残るアナログのシステムが必要
  • 被災地の声をもっと聞きたい
  • 伝える→聞いた人がボランティアに行き、次の人に伝える→この循環
  • 継続は力なり
  • 若い人の能力を使う
  • 資金は自治体から
  • 大人の力は上手に「利用する」
  • 市民が声を上げる ネットワーク作り
  • 防災姉妹都市として被災地と連携する→地域の学校同士の交流も
  • 2020東京オリンピックに来る観光客に東北をアピール
MC

当日の全体のMC 八瀬辺洋人くん(浅野高校2年)

together

編集チーム 土屋晶子記

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